誰も取り残さずに賃金・労働条件のアップを実現しよう！全国ユニオン2022春闘決起集会開催

　今年も春闘がスタートします。２月１８日１９時よりＴＫＰスター貸会議室四谷にて、全国ユニオン「２２春闘決起集会」が行われました。開会のあいさつとして全国ユニオン鈴木会長は、「私たち運動側の闘いがなければ賃金は上がらない、労働条件を変えることはできない、職場や社会を変えることはできない」等、財界や政治に賃上げを預けず、闘って権利を勝ち取っていく大切さを訴え、広範に広がる貧困の問題へのアウトリーチなど、社会運動としての春闘の意義を呼びかけました。その後、集会は社民党党首である福島みずほ参議院議員のメッセージ、年越し支援コロナ相談村の報告、全国ユニオン春闘方針の確認に続き、各ユニオンが春闘の取り組みについて報告しました。
■警備業界・運送業界の底上げを
　プレカリアートユニオンの２２春闘の取り組みの中で特に力を入れていきたいのは、警備業界運送業界の労働条件の底上げです。警備ではシンテイトラスト支部を新たに結成し春闘交渉が始まっており、早くも有期雇用労働者であった支部長が無期転換を果たしています。その他にも、悪質な労働組合への嫌がらせを繰り返すテイケイ株式会社と果敢に闘う姿を見て様々な警備会社の組合員が新規加入し、会社に対し未払い賃金の請求、休憩時間の完全な労働からの解放などの労働条件の向上を要求事項として交渉を行っています。既に、交渉をきっかけに全社的に労働環境を見直すこととなった会社も複数あります。また、運送業界ではもっとも古い支部の１つである明成物流支部で定期昇給制度の導入を勝ち取りました。個別の問題を通して業界全体へアプローチすると共に、しっかりと支部を組織し職場環境の改善を目指します。
■ハラスメント、ジェンダー差別の解消を
　警備運送業界と並んで注力しているのは、職場のハラスメント対策と、女性に対する賃金差別などジェンダー差別の解消です。ＳＯＧＩハラにより精神疾患を発症し休業を余儀なくされた組合員が昨年加入、交渉を経て解決し職場復帰を果たしていますが、復職後、より性自認・性的指向などによる差別・ハラスメントが起こりにくい職場環境を目指し、企業等の枠組みを超えて、ＬＧＢＴが働きやすい職場づくりを目指す「work with Pride」による指標を踏まえた職場環境作りを行うよう交渉を進めています。また、都内給湯器メーカーでは賃金格差や仕事上の取扱いに差を付けるなどの女性差別を改めさせるため、春闘交渉を行っています。ジェンダーやセクシャリティにかかわらず、全ての人が安心して働ける職場環境の実現に向けて取り組みを行っていきます。
■傘下の労組が共闘する「全国ユニオンアクション」
　冒頭の鈴木会長の発言にあったように、闘わなければ賃上げを達成することはできません。全国ユニオンでは、それぞれの組合が取り組む問題を共闘する「全国ユニオンアクション」を行っています。集会では、２月２４日に行われる全国ユニオンアクションについて情報を共有し、企業の理不尽、不合理に負けず権利を実現していくことを確認しました。プレカリアートユニオンからは、テイケイをエントリーし、組合と組合員に対し激しい嫌悪の情に基づく異様な嫌がらせを続けるテイケイに、春闘要求書を持参しました。
　「２２春闘決起集会」は、感染拡大が続く中でも十分な感染対策を取った上で会場・オンライン併用で行われました。コロナ渦だからといって労働組合運動をしっかりと取り組まなければ、私たちの暮らしはどんどん悪くなってしまいます。物価の上昇、社会保険や消費税などの負担増などを考えたとき、賃金がそのままでは、実質的に賃下げが行われているようなものです。集会は会場オンライン一体となり、団結がんばろうにより、しっかりと春闘を闘っていくことを誓い幕を閉じました。