プレカリアートユニオンブログ

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【組合員紹介&組合員の手記】不動産会社で社長のパワハラと闘い、灼熱の追い出し部屋から脱出したTさん

組合員紹介&組合員の手記

不動産会社で社長のパワハラと闘い
灼熱の追い出し部屋から脱出したTさん


 わたくしは今年の2月から不動産会社で働いています。前職は別の業界でしたので、57歳にして未経験の不動産業界で正社員採用をされることに当初はありがたさを感じており、自ら休日出勤もしておりました。試用期間は3か月間でした。
 入社したての頃はまだ先輩もおり業務を見聞きすることができたため、賃貸で3件ほど契約をとれて順調だと判断され、単価の高い売買担当へ異動することが叶いました。
■激しく人が入れ替わる職場
 しかし、売買担当となってすぐに私が一番の長老となってしまいました。というのは、みんな退職して先輩が誰もいないのです。つまり、売買契約が成功している場面を見ることすらできないのです。もちろん会社も私も売り上げはありません。
 働いていたかたたちはというと、皆社長に嫌がらせをされたり喧嘩したりもめたりして退職してしまうのです。ほぼ全員ある日突然その日のうちに朝いた人が夕方にはいない、無言で集団退職、気の合った仲間と会社を設立した人が2組といった調子です。
 現時点で数えますと、社員7人、この約一年の退職者は入れ替わり立ち代わり38人です。逆によくこの離職率で会社が存続できているな、と感じます
パワハラと一方的な賃金減額
 社長は強い睡眠薬を2回に分けて服用しているという噂で、朝は特に機嫌が悪くパワハラにも拍車がかかります。社員も普通の神経では耐えられません。激しいパワハラに鬱っぽくなっているのが明らかに見て取れる人や、死にたいといって人前はばからず泣き出す60代の男性や、社長を殴ってしまいそうだと立腹する若い男性もいました。そして私も、こんな社長が相手じゃ仕事以前に神経が持たない、と感じていました。
 いったい何ならできるんだ!! とまるで何もできていないかのように怒鳴り散らされ、階段を走って3階まで上がればハアハア言うな気持ち悪い! など罵声を浴びせられ、すれ違いざまには意味のない怒声を浴びせられ、給与も一歩的に減らされ、他社(関連会社)の電話セールスを担当させされているのに自社の成績がないと訳のわからない叱責をうけ、できることがないなら地上げ屋をやれ、と、個別の家庭に飛び込み営業をする物騒な業務をすることとなり、またもや見たこともない前任者のいない業務が担当となりました。

 

■スト、抗議行動後、社長が敬語を使うように。社員全員で組合に入って身を守ってほしい

 初台から異動した先は埃だらけの幡ヶ谷店でした。無人店舗で誰もいません。1人で店舗の掃除や看板出し、店番をして来客対応、地上げをして、売買も賃貸も何もかもしなくてはいけません。
 メイン業務は個別訪問の地上げで、一戸一戸個に別訪問をしてマンションやアパートの建て替えやリフォームの注文を取ることとされました。
 大手であれば男女ペアで訪問をしますが、たった数人のこの会社は私一人でどこへでも訪問し、どこで誘拐されてもその日のうちに誰かが気が付くということもない体制です。
 それでも、私は眼鼻のつく顔つなぎを3件獲得できました。が、それを社長に相談しても指示も対応もしてもらえず、踏みにじられています。水の泡となり悔しい思いです。なーんだ、嫌がらせで地上げ屋をやらせただけだったのね、とういう感じです。
■真夏にエアコンが効かない追い出し部屋へ
 ただ忙しいだけなら耐えるのですが、ここ幡ヶ谷は会社が「追い出し部屋」として活用していました。
 今年の夏は特に暑かったことは皆さまご記憶に新しいと思います。
 日中はアスファルトの照り返しの激しい住宅街をてくてく歩き(自転車は社長専用以外は2台しかなく使えない)、営業は日が暮れるまで帰ってくるなと言われ、くたくたになるころようやくが暮れて事務所に戻ると、営業は椅子に座るなと言われ(営業だって地図を確認をしたり登記をとったり事務仕事はあるのです)、ちなみに本当に成果の上がらない他店の人は夜の9時まで再度の外回りを命じられていました(そこから帰るとこっそり椅子に座って事務仕事が始まります)。
 私が配属された幡ヶ谷店は「追い出し部屋」なので、心身ともに社員に負担をかけるための設備が整えられています。
・トイレが尋常でなく不衛生で利用不可能。トイレの前まで行くと臭くていられないくらい悪臭を放っています。
・水道から鉄さび色の水が出て洗えない。水を出しても出してもずっとジャスミンティーより濃いような色の水が流れ続けるのです。
・エアコンが少なくとも冬から壊れたままだった。夏は夏で36度より下がらない。退職者さんが冬は寒くて死にそうで指がかじかんでPCが打てないといったところ電気ストーブを他の店から持ってくるよう言われ修理してもらえないまま、夏になっていました。電源は入るのですが、冷風も温風も出ません。ゆる~っと風が流れる状態でした。総務課からは、16度の弱風に設定すると一番よくエアコンが効くとメールが来て、その通りにしたら夜間に36度から34度に下がりましたがこれはエアコンが効いたのか夜になり気温が下がったのか定かではありません。
熱中症で休職すると社長が八つ当たり
 とうとう、頭痛や下痢や嘔吐、発熱で病院に行くことになりました。病名は「熱中症」でした。約1週間、静養をしました。
 やっと復帰した日に、会社から体調について聴取されることもなく、
 オープンルームと称するお路上でも呼び込みをさせられました。1日目は耐えきりました。
 しかし2日目はもう死んでしまうと思い、早退をしました。
 早退を電話で社長に申し出たところ、たいそうな立腹で、いきなり電話をガチャ切りされました。社長はこんなやつあたりでガスが抜ける人物なんだなあと今さらですがますます見下した気持ちになりました。
 その後も、同じ症状で通院しました。診断書は熱中症で3枚、受け取りました。
■殺されないために団体交渉申入れ
 このままでは遅かれ早かれ私は殺されてしまうので、個人加入の労働組合プレカリアートユニオンの力をお借りすることにしました。
 早速動いてくださり、申し入れ書を渡したり、ストライキをうったり、団体交渉をしたり、争議行動をしたり、事務折衝もしていただき、と順を追って行動をしていただきました。
 絶大な効果がありました。すれ違いざまに罵声を浴びせられなくなりました。笑。
社長が私にまとわりつかなくなったのです。社長が席替えとなり、私の目の前から消えました。フロアの雰囲気がよくなり幾分明るくなりました。逆に社長の移動した先ではまだ退職者が出ていて、この1か月で2名退職していますが……。
 私には見張られているという意識があるようで、組合に言いつけられないよう気を張っているようです。あからさまな嫌がらせが無くなり、電話はガチャ切りから敬語に代わりました。
 社員全員で、組合に入ればよいのです。それが目指す結論かと思います。
 社長はよく言います。
 売上のない営業は営業ではあえりません、要りません。と。
 お返しします。
 会社を回せない社長は社長ではありません。要りません。
 他社さんの団交に参加すると、いろんな会社があることがわかります。
自身の勉強にもなり、数としてお力にもなれるなら、他社さんの団交や抗議行動に参加しながら、私も助けていただきながら、仲間と良い方向に向かっていけたらと思っています。
 T(組合員)

 

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