プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

メールマガジン『プレカリアートユニオン(PU)通信第113号 <2021.06.03発行> 』を発行しました

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 Precariat Union 駆け込み寺から砦へ
 非正規雇用でも若い世代の正社員でも組合を作って労働条件をよくしたい!
 プレカリアートユニオン(PU)通信 第113号 <2021.06.03発行>

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─□ 目次 □───────────────────────────

 1.解雇撤回と復職を実現した千葉県内に事業所のある運送会社と未払い
   賃金問題についても和解、ほか(2021年5月の解決)  【解決!】

 2.「すべての人々」が安心して働ける職場環境の実現を目指して
   5月1日・トランスメーデーのオンラインイベントが大盛況で終了
                    【イベント/LGBTQs労働相談】

 3.Pride Month 2021 トランスジェンダー当事者の日常と職場
   映画『I Am Here~私たちは ともに生きている~』上映とトーク
   2021年6月26日(土)13時30分    【イベント/LGBTQs労働相談】

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参政権獲得のために果敢に闘った女性たちから学ぶべきこと。映画『未来を花束にして』(サラ・ガウロン監督)

参政権獲得のために果敢に闘った女性たちから学ぶべきこと

 1918年はイギリスで女性に参政権が認められた年です。この参政権の獲得は、1860年代から粘り強く続けられた女性参政権獲得運動の成果です。映画『未来を花束にして』は、そんな参政権獲得運動が結実するきっかけを作った1912年を舞台に、婦人社会政治連合(WSPU)の活動に身を投じた活動家たちの葛藤・苦悩・成長を描いた物語です。監督はサラ・ガウロン、主人公のモード・ワッツを演じたキャリー・マリガンは、この映画での演技で第19回ハリウッド映画祭主演女優賞を受賞しています。

■劣悪な労働環境と蔓延する差別
 主人公モード・ワッツは24歳の洗濯婦で、同じ職場で働く夫のサニー・ワッツと息子のジョージとの家族3人で暮らしています。モードは7歳の頃から洗濯工場でパートとして働き始め、正社員になり今は班長を務めています。工場の労働環境は劣悪で、やけどをしたり、肺を悪くし、若くして命を落とす女性労働者が後を絶ちません。パワハラ・セクハラも野放しになっていました。実際、モードの母親も同じ工場に勤めていましたが、モードが4歳の頃に仕事でやけどを負い、命を落としています。同じ職場でも男性は配達が中心の比較的労働時間が短い楽な仕事で、給料も女性の1.5倍程でした。女性はあからさまな差別を受け、過酷で低待遇な環境での労働を余儀なくされていました。

■怒りと希望を胸に活動家に
 女性が差別されていたのは、もちろん職場だけのことではありません。当時の女性には参政権がなく、子どもの親権も認められない、妻は夫の所有物という扱いでした。モードはある日、街でWSPUの過激な行動を目にします。初めは過激な抗議行動を冷めた目で、迷惑なものとして見ていたモードですが、同じ職場の新入りの洗濯婦ヴァイオレットをかばったことがきっかけで活動に近づき、ひょんなことから彼女の代わりにスピーチをする機会を得ます。モードの素直で切実な訴えは聞き手の心を打ち、モード自身も自分には違った生き方ができるのではと感じ、次第に熱心な活動家になっていきます。

■すべてを失い、より活動に心血を注ぐ
 夫のサニーは、モードが活動に参加することをよく思っていませんでした。初めてデモに参加した際、モードは逮捕され5日間投獄されてしまったのですが、このことがきっかけで、工場をクビになり、さらにサニーから一方的に家を追い出されてしまいます。モードは最愛の息子と引き離されたことに深く悲しみますが、育児などまったくしたことのなかったであろうサニーは息子のジョージをどう育てていったいいかがわからず、あろうことか養子に出してしまいます。すべてを失ったモードは、より過激に運動に関わっていくことになります。

■権利は犠牲を払って「勝ち取った」もの
 その後、ある悲劇をきっかけに活動は大きな渦となり、やがて世の中を動かすにいたります。エンディングでは、この運動で1000人以上の女性が投獄されたことを伝えた後、1918年に30歳以上の女性に参政権が与えられ、1925年に女性の親権が認められ、1928年に男女平等による普通選挙が実現したことが告げられて映画は幕を閉じます。
 今、あたりまえのように私たちが享受している権利ですが、先人達の闘いの末に勝ち取ったものであることをけして忘れてはいけません。時をほぼ同じくした1920年、日本で第1回メーデーが開催され、8時間労働や最低賃金を求めた運動がおこります。多くの犠牲を払って勝ち取ったのが現在の私たち労働者の権利です。今の日本の権利を上から与えられたものと錯覚し、自らの権利に無関心になってしまった挙げ句、その権利を侵害されていることにさえ鈍感になってしまっている現状に強い危機感を感じます。権利のために犠牲を払って果敢に闘った100年前の彼女たちの闘いの物語から、私たちは多くを学ばなければなりません。

稲葉一良(書記長)

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自分が自分らしく生きるための問い。『いのちの女たちへ - 取り乱しウーマン・リブ論』新版(田中美津著/発行:パンドラ・発売:現代書館)

自分が自分らしく生きるための問い
  
『いのちの女たちへ - 取り乱しウーマン・リブ論』新版は、1972年に刊行された田中美津氏による同タイトルの著作に資料やその後の著者などからのコメント、あとがきなどを書き加えた新装版です。日本のウーマンリブ運動の旗手である著者が、その原体験から活動に向かっていく紆余曲折を「取り乱し」つつ、さらけ出した本書ですが、オリジナルが出版されてから半世紀近くたっても、その息づかいやメッセージは読み手の感情を強く揺さぶります。

■「取り乱し」
 タイトルにあるように、この本の大きなテーマで最大の特徴の1つは「取り乱し」です。語るように、吐き出すように紡がれる本書の言葉はクセが強く、正直、読みやすいとはいえませんが、まるで隣で聞いているかのような臨場感をもって読み手に迫ります。「本音で語ろうとしたら、男はム……となるしかないだろう。もっともこっちの方は、論理的にわかりやすくと言われると、ム……になるのだけれど」。「理論的にわかりやすく」を求められることこそ男性社会的であるということを本自体でも体現しています。

■わかってもらおうと思うは乞食(こじき)の心
 東大闘争のさなかに登場した「連帯を求めて孤立を恐れず」というスローガンは、著者流に言い直すと「わかってもらおうと思うは乞食の心」になります。「たとえ女同士であれ、女同士!の語感の安らぎを最初からアテにしてはならないし、そしてできないのだ」、とする著者にとってのリブ運動は「おんなの解放」にとどまらず、「嫌いな男にお尻は触られたくないけれど、好きな男が触りたいと思うお尻はほしい」という言葉で表されるような矛盾した自分自身を肯定・解放することでもあります。リブとは、理解や承認が目的地ではないのです。
 本書の話題は、リブと時を同じくしておこった、反戦運動学生運動などにも触れながら、おんなが、そして自分が自分らしく生きるとはどういうことなのか「取り乱し」つつ、私たちに語りかけます。この本で語られる生きづらさは今なお、まったく解消されていません。著者は今も精力的に活動し、おんなの生きづらさと闘っています。

稲葉一良(書記長)

www.pan-dora.co.jp

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労使関係の歴史と展望。『働き方改革の世界史』( 濱口 桂一郎著・海老原 嗣生著/筑摩書房)

労使関係の歴史と展望

 人事専門誌『HRmics』に掲載された連載「原典回帰」を1冊にまとめたのが、『働き方改革の世界史』です。労働政策研究所長である濱口桂一郎氏と雇用ジャーナリストで上智大学経営学客員教授などを務める海老原嗣生氏の共著による本書ですが、連載時は”マルクスなんてワンオブゼム労働イデオロギーの根源を探訪”というサブタイトルが付けられていました。労使関係論の世界的な流れを、集団的労使関係を軸に、さまざまな流派のさまざまな視点を踏まえ、幅広く体系的に解説しています。

「労働は商品じゃない」という誇り
 本書の中でもっとも印象に残ったのは「労働は商品じゃない」という言葉の誤解についてです。会社はもっと従業員を大切にしろというニュアンスで使われがちなこの言葉ですが、みなさんは本当の意味を知っていますか?反トラスト法のいかなる規定も適用されない特殊な商品として、労働組合が労働条件を使用者と交渉する集合取引(団体交渉)が談合と見なされることのないようにAFL初代議長ゴンパースらが立法闘争の末に勝ち取った文言なのです。自らの手でハンドルを握り、労働条件を決定していくことへの誇りに満ちた言葉です。

日本的雇用慣行を目指す試みも
 次に印象に残ったのは、アメリカなどで日本的雇用慣行こそが労使関係の理想型だという思想が一時大きく世を賑わせたということです。年功序列や終身雇用の取り組みは、日本以外の国々でも試みられ、そして失敗していきました。日本における「働き方改革」は、この日本式雇用慣行の失敗・崩壊による雇用情勢の悪化・雇用環境の変化にどのように向き合い、よりよく働くことができるかの試みだと考えられます。日本の雇用を理想とした諸外国の試みと失敗から学ぶことはとても有益に思えました。
 本書では日本の著作を含み11冊の労使関係の古典を的確に要約し、集団的労使関係の歴史と展望について示しています。この本を読んで、あらためて労使関係のあるべきかたちについて考えを深めることができました。

稲葉一良(書記長)

www.chikumashobo.co.jp

 

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抵抗としての助けあい。『コロナ禍、貧困の記録 2020年、この国の底が抜けた』(雨宮処凛著/かもがわ出版)

抵抗としての助けあい

 2020年4月7日、安倍首相(当時)は7都府県に緊急事態宣言を行い、同月16日に対象を全国に拡大した。「ステイホーム」に慣れてきた4月末、ある夜コンビニへ行こうと外に出ると、一人の男性の姿が目に留まった。雨なのに傘をさしていない。「もしかして、帰る家がない?」。それから、外に出るたび道行く人に注意するようになった。いくつもの大きな荷物を抱えた人、季節外れのコートを着ている人などなど、明らかに路上に放り出されて間もない人たちの姿が飛び込んできた。中高年も若者も女性もいた。

■追い詰められた人たちのSOS
 コロナ禍では非正規労働者がまっさきに首を切られ、解雇・雇止めが相次いだ。それまで貧困とは縁がなかったが、休業を余儀なくされ、収入を断たれた自営業者、フリーランスも及んだ。短期間で一気に追い詰められた人たちのSOSが雨宮処凛さんはじめ支援団体に寄せられた。
 雨宮さんによれば、2008年のリーマンショック時に比べて、今回のコロナ禍のほうがはるかに深刻だという。年越し派遣村との違いの1つは、女性のホームレス化。リーマンショック時派遣切りにあったのは製造業で働く男性で、派遣村にやってきた99%が男性だったという。2つ目は若者が多いこと。派遣村には20代はほとんどおらず、30代もわずかだったが、今回はかなりの割合を若者が占めているという。シングルマザー家庭、貧困家庭で家族に頼れないというのだ。これらから、「家族というセーフティネットが機能していない」とみる。

■コロナ禍のマイノリティ、外国人の貧困
 さて、私は今回、外国人の貧困の一端を垣間見る機会があった。故国で迫害されて日本へ逃げてきたが難民認定されない人たち、バブル期に来日して3K(※)現場でずっと働いてきた非正規滞在者などだ。これらの人たちは就労不可、社会保障制度・公的支援から排除。健康保険がないのでめったに病院へ行けない。コロナ禍の特別定額給付金10万円も支給の対象外であった。
 異国で無権利状態の彼らは、家族で暮らすことが
多く、さらに同胞の支援がなければ生きていけない。例えば、埼玉県川口市蕨市にはトルコから逃げてきたクルド人約2000人が暮らす。コロナ禍前まではお金のある者がない者を食べさせ、居候させるなど、助け合って生活してきた。しかし、コロナによってコミュニティに亀裂が入ると、住む場所を失ったり、満足に食べられない人たちが続出した。コミュニティとは地縁血縁による「絆」社会、菅首相はじめ自民党の人たちが大好きな「共助」の世界だ。それは雨宮さんの言葉によれば「共倒れするまで助け合え」という意味であるが、「絆」もお金がなければ維持できない。

■「助け合い」が最大限のカウンター
 自助も共助も限界に達しているのに、「こうなったのは自分のせい」と自己責任論は社会にしみついている。本書で改めて実感したのは、生活保護に対する強烈なスティグマだ。片山さつき議員(自民党)とメディアによるバッシング。さらに、申請させまいとする役所による数々の水際作戦。生活保護は権利なのに、自ら辞退させてしまう圧力。
 雨宮さんは訴える。「だからこそ、今、私たちは『助け合い』を実践している」。それは「『自助』を強調する政治に対しての最大限のカウンターであり、弱者を見捨てる政治への必死の抵抗でもある」と。
 また、雨宮さんがかかわる市民団体「反貧困ネットワーク」などによる「新型コロナ災害緊急アクション」では寄付を集め、「緊急ささえあい基金」を発足、昨年4月から1年間で5000万円以上を支給してきた。民間が生活困窮者に多額の金銭支援することの異常さを「政府は自覚してほしい。そして、恥じてほしいと思う」とも訴える。

■声を上げれば、政治は動く
 コロナ禍から1年。雨宮さんたちの激務は続いているし、感染も貧困も収まっていない。しかし、助けあいが抵抗であるなら、「このままじゃ嫌だ!」と感じた人たちも加わって一緒に声を上げていけば、本書の続編ができるのではないか。
なぜか自信を持ってしまうのは、5月18日に改悪入管法が廃案になったからだ。緊急事態宣言下であるにもかかわらず議員会館前では市民がシットインを行い、メディアも問題点を大きく取り上げた。声を上げれば、政治は動く。
 いったいどんな助けあいがあるのか、自分に何ができるのか。それを知る意味でも本書を読んでほしい。
※3K・・・労働環境・作業内容が「きつい (Kitsui) 」「汚い (Kitanai) 」「危険 (Kiken) 」であることを意味する

レビューアー:松本浩美(まつもと・ひろみ)
1964年生まれ。フリーランス校正・執筆に従事。近年は外国人労働者の問題について取材を続ける。

www.kamogawa.co.jp

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困難に対処していくための実践書。『実践 セルフ・コンパッション 自分を追いつめず自信を築き上げる方法』(メアリー・ウェルフォード著、石村郁夫訳・野村俊明訳/誠信書房)

困難に対処していくための実践書
『実践 セルフ・コンパッション 自分を追いつめず自信を築き上げる方法』(メアリー・ウェルフォード著、石村郁夫訳・野村俊明訳/誠信書房)は、人がどういったときに、どういう心理状態になり、それはいったなぜ起こるのか、結果としてどういう行動をとるのかということを、心理療法の視点から分析し、困難に対処できるように訓練していくための実践書である。

 ■不安や恐怖は、単に自分に問題があるというわけではない
読み進めていくと、不安や恐怖は、単に自分の考え方がネガティブだとかそういった次元ではないことがわかる。生まれながらの個性、高度に進化した人間の脳の反応、家庭環境、社会問題からの影響などが複雑にからみあって、行動として表れるということが理解できる。

■最大の敵となり味方ともなるのは自分自身だった
本書でキーワードといえるのは「慈悲」という考え方だろう。本書における慈悲の解釈は、優しさ・気持ちの温かさ・親切さといっている。「慈悲」を他人だけでなく、自分にも向けようということが本書の趣旨だろう。
例として、幼少期から健康に不安を抱えたある男性は、過保護な親や快活な兄弟に囲まれて育ち、自身を周囲とは違うと思うようになり、その対処として周囲に合わせようとするために、飲酒で勇気づけてから仲間と遊びにでかけた結果、泥酔状態となり仲間からはあきれられ、孤立を深めていく。
本書では、こういったときに後悔や反省をすすめるのではなく、そういった失敗の事実を受入れつつも、それは必ずしも自身の行動がきっかけとなったものだとは決めつけない。外的要因も多分に占めているのではと自分自身に問いただし、うまくできた出来事を思い出したり、努力をしてきたのだから次はきっとうまくできると信じ、仮に失敗しても大きな問題ではないと自分自身に対して「慈悲」を向ける。結局は、自分を追い込むのも、勇気づけるのも、自分にほかならないということである。

■本書は実践書である
本書は、辞書のように必要な情報のみを得ることを目的とするのには向いていない。演習問題集のように使うのに向いている。 「考え方を変えるまたは増やすトレーニング(本書では<エクササイズ>と称している)」が62例記載されている。ひとつひとつに大きな効果があると思われる。だが、トレーニングを1つこなすだけでも、最短でも30分はかかると思う。本書においても実行するトレーニングを取捨択一するようにすすめているが、正直、自身も全てのトレーニングを行うほどの時間はない。だが、裏を返せば、考え方を変える・増やすというのは、多くの時間と労力が必要だといえる。自身も「行動」を変えることのほうがはるかに楽だと思っている。「考え方」が変わるには多くの時間をかけるか、人生に重大な影響を与えるような出来事がない限り困難だと思っている。
そうであっても、「考え方」を変えていく、あるいは増やすということは、その後に選択する「行動」の幅が広がり、価値があるといえる。

■自分を追い詰めず自身を築き上げる方法の実践
ひとつ、自分でもすぐに取りかかれ、習慣にできると思った例を紹介する。
「マインドフルネス」。東洋宗教の流れをくむ技法で、瞑想に近い。具体的な方法は①気が散らない場所で行う ②背骨の強さを感じ、それ以外の体の部位はリラックスして、まっすぐな姿勢ですわる ③目を閉じる ④呼吸を感じる。息をゆっくり吐いたり吸ったりして、肋骨が広がったり狭まることを体感する ⑤自分の体温を感じる ⑥過去や未来のことを考えない ⑦これを15分程度行う このトレーニングは、部屋や近くの公園などどこでもいつでもできる。ところが、意外にも実践は難しいものだった。静止した姿勢でいると、次第に落ち着きがなくなってきたり、前日の嫌な出来事を思い出したり、明日はどうしようか、と考えだしたりする。自動車の走行音すら耳障りに感じだしたりする。だが、習慣化できたときは、何も考えないことが苦痛でなくなった。気が散ったらそれ自体もありのまま受け入れられるようになり、肩の力も抜け、トレーニングを終えたあとは、とても爽やかな気持ちになれるようになった。堅苦しいレビューとなったが、本書のトレーニングを参考に、少し肩の力を抜いてみるのもよいかもしれない。
Y(組合員)

www.seishinshobo.co.jp

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未払い賃金問題について交渉していた東京都内の運送会社と和解!

未払い賃金問題について交渉していた東京都内の運送会社と和解しました。運送業界の労働相談はプレカリアートユニオンへ。

 

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