プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

高プロで24時間×24日休日なしでも合法に!? エキタスの「すべての働く人たちのための新宿アルタ前大街宣」でのスピーチ #0317アルタ前

3月17日、新宿アルタ前で、エキタス(AEQUITAS)による、高度プロフェッショナル制度に反対する街宣が行われ、プレカリアートユニオン委員長の清水も発言しました。以下、スピーチの原稿です。一部省いて発言しています。
#0317アルタ前
http://aequitas1500.deci.jp/
http://aequitas1500.deci.jp/a.pdf

 プレカリアートユニオン執行委員長の清水と申します。誰でもどんな雇用形態でもどこで働いている人でも1人から加入できる労働組合です。
 私たちは、長時間過重労働、残業代不払いがまん延している運送業・引越業を中心に、ブラック企業で働く人の相談を受け、交渉し、払われるべきだったお金を取り戻し、労働条件の改善にすることを繰り返しています。長時間過重労働で心身の健康を奪われた人から相談を受け、労災申請をサポートし、会社と交渉しています。なかには、ご本人がこの世にはおられずご家族から相談を受けることもあります。
 ある運送会社で働くドライバーが、脳出血で倒れ、一命は取り留めたものの、意思疎通も困難でほぼ寝たきりの生活を余儀なくされました。しかし、会社は、プライベートな病気だということにして、健康保険の傷病手当の手続きだけして、半年の休職期間満了だとして解雇しました。私と関連会社で働く組合員は、グループ会社のなかに長時間労働で救急搬送されたドライバーがいるという噂を聞いて、このあたりで搬送されたならこの病院だろうとあたりをつけて探し、病院に名刺とご家族への伝言を託しました。たまたまご家族と連絡をとれました。デジタルタコグラフのデータを証拠保全という手段で押さえ、それを元に労災申請し、労災が認定されました。会社は謝罪して解雇を撤回し、賠償をしました。本来なら労災で休業中の解雇は無効です。やってはいけないことです。でも会社は、人が倒れても死んでいてもごまかせる限りごまかします。たまたま労災認定もされたし、会社は金銭的な責任をとりましたが、その人は自らの意思で異動することも家族と会話することもできないままです。
 高度プロフェッショナル制度は、ただ単に残業代をタダにする制度です。労働時間の規制をなくして、過労死を拡大する制度です。派遣の対象業務を拡大したように、年収要件なんて、すぐに下げてしまうでしょう。
 ついこの間、3月15日にプレカリアートユニオンの上部団体である全国ユニオン厚生労働省と交渉を行いました。全国ユニオンの事務局長が、高度プロフェッショナル制度の法案要綱を見ると、高プロの対象となった場合、1日8時間まで、週40時間までという労働時間の規制がなくなるため、休日は4週間に4日を与えれば違法ではなくなってしまう、そんなふうに読める。しかし、まさか、厚生労働省が、何の規制も考えていないわけはないだろうと、例えば、24時間、24日連続勤務させることも違法ではないということですかと質問しました。厚生労働省の回答は、健康確保措置をとれば違法ではなくなると答えました。高度プロフェッショナル制度のもとでは、極端なことを言えば、1日24時間、24日連続勤務も合法となってしまうのです。24日連続勤務の後に、4日の休日を付与すればよいということになります。今は4週に4日の休日でも1日あたり週当たりの時間の上限が決まっています。こんな法案を成立させたら仕事のせいで合法的に人が死んでしまいます。
 自民党支持者にも愛国心があると自負しているネット右翼と呼ばれる人にもこれだけは考えてほしい。労働問題については、皆さんの大多数はこちら側です。ワタミの創業者である参議委員議員の渡邉美紀氏は、参議院予算委員会公聴会で、過労死遺族の中原さんに向かって、どうしたら高プロ制を導入できるかとへらへら笑いながら質問しました。恥知らず。ふざけるな。高プロは、ブラック企業が作りたくて作りたくて仕方がない法律です。こんな働かせ方を認めてしまえば、日本社会の根底が壊れてしまいます。やつらには、公共心なんかない。あんなやつらに、自分のクビに縄をつけて差し出してはいけません。目先の金儲けしか頭にない、ブラック企業の経営者の言うままに極悪な法律を作る人たちが日本を大事にしようとしているとはとても思えません。子どもや孫の世代が、仕事が原因で合法的に殺されないために、自民党を支持していてもいなくても、高プロには反対だという声を上げてください。高プロつぶしましょう。