プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

【組合員の手記】少しの勇気で変わることがある 職場でのアウティング問題で会社と和解

少しの勇気で変わることがある 職場でのアウティング問題で会社と和解

 僕はLGBTQsのなかのT(トランスジェンダー)にあたります。出生時に割り当てられた性別は女性でしたが、性自認は男性で日常生活も男性として過ごしています。

■「うちの職場ではLGBTQの差別をさせない」
 僕は医療従事者で数年前より男性として勤務しています。ある入職前の面接時、会社の社長に今までの仕事の退職理由を聞かれたため、僕自身のジェンダーセクシュアリティを「アウティング」(第三者に曝露される行為)されたことを話しました。社長は「うちの職場ではLGBTQの差別をさせない。する人もいない」と言い切っていたため安心して入職することを決めました。

■社長に「アウティング」されていた
 入職後はジェンダーセクシュアリティを聞かれることなく、仕事をしていましたが入職して3か月がたった頃に突然同僚から話したいことがあると連絡がきました。その同僚から話された内容は衝撃的でした。僕が入職する前から他の職員は僕がトランスジェンダーであることを知っていたのです。その同僚からは気分を害すかもしれないけど聞いてほしいと言われました。「実はあなたが入職する前に社長からあなたがトランスジェンダーであるということを聞いていた」と言われました。恐る恐る詳細を聞くと、僕が入職する前月に社長が「来月男性2名入職します。うち一人はトランスジェンダーです」とほとんどの職員がいる前でその同僚に話してきたそうです。その後、その同僚いわく「中性的な見た目なのですぐに分かります」と発言があったと伝えられました。LGBTQs当事者に会ったことがない職員だったので、ほとんどの人が混乱をしていたそうです。またある職員は、僕のことを「手が小さいから女性だ。女性トイレに入っていくのを見た」などと何度も他の職員に話していたそうです。

■組合に加入し、団体交渉を申し入れ
 僕は同僚から話を聞いた際に悲しい気持ちでいっぱいになりました。その後、プレカリアートユニオンにこの出来事を相談しに行きました。組合の方は熱心に僕の話を聞いてくれました。組合の仲間たちの力を借りて会社に対し交渉をすることに決めました。話し合いをしていくなかで社長は差別的な職員がいることを認識していながら、黙認していたと団体交渉をした際に知りました。その時にすごく裏切られた気持ちになりました。
 一人ではなかなか会社側と話していくことに抵抗がありましたが、組合の仲間たちの支えもあり、団体交渉は成立し、社長からの謝罪と社内研修として「SOGIハラ」(性的指向性自認に関するハラスメント)を取り入れてもらうことが約束されました。今までアウティングや性の詮索を仕事場でされてきた自分にとって、とても勇気づけられた瞬間でした。声を上げ、変えていく勇気を労働組合に入り学びました。
浅沼智也(組合員)

5月16日(日)16時30分から18時30分まで、プレカリアートユニオン事務所にて、LGBTQs労働相談会を開催します。事前予約不要。事前にご連絡いただけると対応はスムーズですが、当日予約なしにご相談いただくのも歓迎です。個別に別の日程で相談の予約をすることも加納です→info@precariat-union.or.jp

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