プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

コロナ渦で浮き彫りになった「底が抜けた社会」を照らすための闘いの記録。『新型コロナ災害緊急アクション活動日誌~2020.4-2021.3~』、『この暗黒社会に光を!~新型コロナ災害緊急アクション活動日誌2021.4-2021.9』(原作:瀬戸大作/社会評論社)

 新型コロナウイルスの影響は、弱者を経済的に、社会的に直撃しました。そのときに浮き彫りになったのは、あまりにも人の生が軽んじられる「底が抜けた社会」と弱者を守らず虐げる「福祉」の実態です。『新型コロナ災害緊急アクション活動日誌~2020.4-2021.3~』、『この暗黒社会に光を!~新型コロナ災害緊急アクション活動日誌2021.4-2021.9』は、反貧困ネットワーク事務局長を務める瀬戸大作による、コロナ渦で命や生活の危機に瀕した当事者支援の現場を記した日記を元に作られた2冊です。様々な当事者の追い詰められた背景や、それをどのように支援し生活の安定につなげたか、そして「人を殺す」福祉との闘いについて支援の現場からの生の声が綴られています。
■仕事を奪われ生活が困窮するケースが後を絶たない
 本書を読んで再認識するのは、やはり、仕事を失うことが生活の崩壊に直結するということです。コロナ渦で様々な業種が損害を受けそのしわ寄せは、立場の弱い非正規労働者に向かいました。また、コロナの混乱に乗じてリストラを強行する、気に入らない社員を辞めさせる、雇止めするなどの「コロナ便乗解雇」の問題も深刻で、それらが文字通り人の生活を破壊し命を奪う様が本書により浮き彫りになっていきます。私たちもコロナ渦での企業の労働者への不合理をはね返すべく闘ってきましたが、正しくそれが命と生活を守るためのものだという認識を更に深めることができました。
■地域の支え合い助け合いの大切さ
 この20年、日本の政治は公助を投げ捨て市民に自己責任の下、負担を強いてきました。本書ではそれに対抗する手段としての共助の重要性と、その限界についても触れられています。行政に、政治に市民が連帯して粘り強く訴えることで世の中を動かすことができます。私たち労働組合も地域に根ざし、しっかりと組合以外の市民団体とも関係性を作っていく必要があります。生活困窮の背景の多くには労働問題が関係します。組合に認められた権利と力を行使して1人でも多くの労働者の労働環境を安定させる労働組合の活動を、地域と連携し、セーティネットの一翼を担う形で行うこと、これからの労働組合で特に求められることだと考えています。

稲葉一良(書記長)

 

【労働相談は】
誰でも1人から加入できる労働組合
プレカリアートユニオン
〒160-0004東京都新宿区四谷4-28-14パレ・ウルー5F
ユニオン運動センター内
TEL03-6273-0699 FAX03-4335-0971
メール info@precariat-union.or.jp
ウェブサイト https://www.precariat-union.or.jp/
ブログ https://precariatunion.hateblo.jp/
Facebook https://www.facebook.com/precariat.union
twitter https://twitter.com/precariatunion
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCAwL8-THt4i8NI5u0y-0FuA/videos
LINE労働相談 https://page.line.me/340sctrx?openQrModal=true

 

www.shahyo.com