【組合員紹介＆組合員の手記】イオン店舗でパートとして働くＩさん賃上げ実現し、職場から社会を変えたい

組合員紹介＆組合員の手記
イオン店舗でパートとして働くＩさん
賃上げ実現し、職場から社会を変えたい

　２０１５年から総合スーパーイオンでアルバイトを始め、２年後にパートへ契約変更し、現在に至っています。当時は下の子どもが小学生で、手のかかる元気な子どもだったため、フルで働くことに不安を感じて扶養範囲内での雇用契約でずるずるときてしまいました。
　しかしこの３０年に渡る不況下で賃金は最低賃金のまま。学生時代をバブル期で過ごした私にはこの時給はワースト。埼玉県の最賃が９５０円になったとき、職場の先輩が「１０年目にして初めて時給が上がった」と話しているのを聞き驚きました。
　売場に働く人のほとんどがパートで、そのパートが退職しても補充の人員はほとんどありません。売場の仕事は減った人数でこなしていきます。一方、消費税増税にコロナパンデミックで客足は下がり続けます。入荷する商品も減り続け間違いなく売上は下がっています。そんななかで「賃上げ」などと「無謀な」要求はできない、という空気感。
■組合員のために闘わない社内組合
　しかしそれでも減った人数で上がらぬ賃金に売場での接客対応など、負担は重くなります。イオンには労働組合があります。パートもアルバイトも給与から社内組合の組合費は天引きされています。
　労働組合はパート、アルバイトのためにどれ程の意見を聞き、会社へ労働環境改善のためにたたかっているのだろうか。やはりここは非正規雇用で組織する労働組合が、必要と考え、話しやすい同僚に「組合作ろうよ」と声をかけたが、仲間は作れず。
　普段の私の行いから来るのかもともと友達なんかいないからね～、と開き直り、心が折れながらも、友人の弁護士にも相談しながら、労働基準監督署や県庁にも出向き、どこに突破口があるのかと模索していました。県庁では「ＵＡゼンセンからは、最賃上げるようにと電話をよくもらいます」と言われました。なるほど社内組合は、私たちのためにたたかう気持ちはないんだと納得。
　たった一人のためであっても、労働環境改善のためにたたかわない労働組合なら必要はない、と私は思っています。
　さて、私はなぜこんなにも権利意識が強いのか、もちろん我儘性分であると同時に、学生時代の活動が影響しています。１９８６年に東洋大学社会学部に入学し「部落問題を考える会」というサークルに入ります。ここで私はあらゆる差別は資本主義経済を発展させるために必要な身分構造だと考えるようになりました。部落問題に限らず、８月６日はヒロシマへ、９日はナガサキへと行き、修学旅行で見た原爆資料館とは違う迫力で私の心に迫りました。原爆は落ちたのではなく落とされたもので、戦後も米国をはじめとした大国はこの原爆実験を各地で行いしっかりデータを持っている。
　これら４年間で得た経験は、私にとってかけがえのないものですが、とても生きづらい社会です。
■このままではいけない、でもどうしていいのか解らなかった
　２０１９年の夏の参院選で「政治を変えようと政治家になったけどできない。だからひとりで政党を旗揚げした」と熱く語る山本太郎を動画で見ました。山本太郎は国会に行けなかったが特別枠を使い二人の身体障碍者を国会におくった。そこから彼の立ち上げた政党のボランティアとして気が向くとビラ配りや選挙の応援の手伝いをするようになりました。でも政治だけでは社会は変わらない。社会を構成する私たちが変わらないといけない。では私は何をするべきか。やはり職場の問題を解決するための労働運動であろう、と考え、そしてこのプレカリアートユニオンに辿りつきました。
　まだ暗中摸索ではあるけれど、清水委員長と稲葉書記長をはじめ、組合員の皆様の力を借りて進みたいと思います。
　Ｉ（組合員）