プレカリアートユニオンブログ

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理不尽な格差是正して介護の現場を守りたい!パート差別問うクローバー集団訴訟  第1回期日報告で原告組合員が意見陳述

 プレカリアートユニオン静岡支部クローバー分会の仲間が、未払い残業代や労働契約法20条に掛かる正社員と非正規の待遇格差の解消(3年分の賞与の支払い)を求め、株式会社クローバーに対して総額約3731万円の支払いを求める裁判を提訴しました。3月27日、その第1回目の期日が静岡地方裁判所沼津支部にて行われました。
 介護業界のワンオペ問題 
 この法廷闘争は、大きく2つの問題を世の中に問いかけています。まず1つは、介護業界では当たり前として野放しにされていた、夜勤のワンオペによる休憩問題です。多くの介護事業所が、特に夜勤帯でワンオペ業務を行わせています。介護現場はまさしく緊張の連続で、いつ何が起こるか予断を許しません。業務から完全に解放される休憩など取ることは不可能です。それにもかかわらず、給与の計算において、休憩を取得したことにして残業代を支払わないといった労務管理が横行しているのです。
 パートだから1円も賞与を払わない
 もう1つは、非正規労働者への待遇・処遇面での差別の問題です。現在、クローバーで働くパート職員は、正職員と同じ働き方をしているにもかかわらず、理由もなく待遇・処遇面での差別を受けています。今回の裁判では賞与の支払いを求めていますが、クローバーでは、正社員には業績と関係なく一律で賞与を1月分支給しているにも関わらずパート社員に一切賞与を支払っていません。
 有利な条件背景に賞与でも勝つ
 これまでも、パートタイマーや有期雇用の所謂非正規労働者への賞与の支払いを求めた裁判は行われてきましたが、支払い命令に対して裁判所は極めて消極的慎重な姿勢をとり続けてきました。クローバーのケースはそれらの裁判と比べ、極めて有利な条件が揃っており、画期的な判例が出されるのではと提訴に先立つ記者会見でも多くのメディアからの注目を集めています。
 意見陳述に身を乗り出す裁判官
 第1回期日では原告による意見陳述が行われました。クローバーで働く介護と看護の労働者が、それぞれひとりずつ自身の思いの丈や現場での労働の実態、今回の裁判の意義について裁判官に陳述しました。それらの陳述を聞き、一番強く感じたのは「介護の現場が崩壊してしまう」という強い危機感でした。理不尽な待遇格差や違法な労務管理によって労働者の生活が破壊されてしまい、これ以上「労働者の介護離れ」が進めば介護そのものが成り立たなくなってしまいます。裁判官は終始身を乗り出して真剣に2人の意見に耳を傾けていました。
 次回の期日は6月12日(金)午後2時から行われます。この裁判を組合のみんなで支え、介護業界の労働環境改善のための画期的な判決を勝ち取っていきましょう。

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写真は、2月3日、クローバー集団訴訟提訴の記者会見に臨む弁護団佐々木亮弁護士、梅田和尊弁護士、小野山静弁護士。