プレカリアートユニオンブログ

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全国ユニオン第20回定期大会開催される。コロナ時代の労働運動を考える記念シンポも

全国ユニオン第20回定期大会開催される
コロナ時代の労働運動を考える記念シンポも

 7月17日四谷三丁目ワイム貸し会議室にて全国コミュニティ・ユニオン連合会全国ユニオン)第20回定期大会が行われました。新型コロナウイルスが世界中の労働者に大きな影響を与えたこの1年を振り返り、労働者の権利を護り拡大していくための時期方針が決議されました。
■もう一度連帯社会を構築するために
 関口事務局長による開会の挨拶で、定期大会はその幕を開けました。議長団が選任され、登壇した後、鈴木会長が挨拶をしました。「この10年間の自己責任に基づく新自由主義社会の歪みが明らかになり、多くの失業者を生み出している。非正規とすらいえない、非雇用・フリーシフトは拡大している。改めて、特権階級のための東京オリンピックは中止すべき。もう一度連帯社会を構築するために、全国ユニオンが最先頭に立って闘っていくことを宣言したい。」と、はじめ、次回の衆議院で絶対に自公政権過半数割れさせると、力強く訴えました。
新自由主義の暴走を食い止め、命を守る労働運動を
 その後の、来賓挨拶では社会民主党党首福島みずほ様、連合副事務局長・安永貴夫様、日本労働弁護団幹事長・水野英樹様、日本労働弁護団闘争本部長・棗一郎様、コミニティユニオン全国ネットワーク事務局長岡本哲文様にメッセージをいただきました。どの来賓の方々も、人命や人権、生活を軽視した新自由主義社会のあり方に警鐘を鳴らし、労働運動の重要さを語ってくれました。
 その後、大会成立を確認し、議案の提案、などが行われ、鈴木会長による団結ガンバローにて定期大会は幕を閉じました。大会宣言では、「働き方や国籍などにとらわれず、会社や地域で1人1人が安心して希望を持って生活し働ける社会を実現していこう。節目となる第20回定期大会を新たな社会実現の第一歩とし、着実に歩みを進めていこう」と宣言されました。
■ユニオン運動の新時代語るシンポ
 全国ユニオン第20回定期大会の後、記念シンポジウムが行われました。なのはなユニオン鴨桃代執行委員長がコーディネーターを務め、鈴木剛全国ユニオン会長、コロナ相談村実行委員の大久保秀一弁護士と、女性による女性のための相談対実行委員会の黒川美恵子さんがパネリストとして登壇し、いたみワーカーズコープ高木哲次理事長がオンラインで参加しました。
■顕在化・固定化する貧困
 鈴木会長が「年越し派遣村」の頃と変わって、女性や移住労働者の相談が増えたことに触れ、コロナ禍の社会情勢を語った後「年越し支援・コロナ被害相談村」等の経験から、と題した大久保秀一弁護士による報告が行われました。相談村の取組の概要を説明し、生活に困窮し相談村を訪れた相談者のケースを紹介した後、厚生労働省の統計データなどを使い非正規労働者が置かれた過酷な状況について語りました。「何度も相談に来る方がいる」と、貧困の顕在化、固定化について問題提起しました。
■ますます深刻化する女性の貧困
 続いて、黒川さんから「女性による女性のための相談会」で行った取り組みについて報告がありました。相談会の動画と共に支援の様子が伝えられます。相談者は40~60代の方が多く、非正規など仕事の相談、心と身体の問題などの健康相談に対応したそうです。電話がなく相談に繋がれていなかった女性も目立ったそうです。コロナ禍で女性不況が一層深刻化している現状が語られ、活動を通じて作成された政策提言が紹介されました。
 その後、パネリストによる意見交換が行われ、高木理事長からオンラインで伊丹での取り組みが紹介されました。登壇者の発言から、コロナ禍の労働運動に不可欠なのは、市民運動と連携連帯し社会を変えていく取り組みなのだと感じました。
 稲葉一良(書記長)

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