プレカリアートユニオンブログ

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当事者が主体的に問題解決するための手助けとは。『ケースワークの原則[新訳改訂版] 援助関係を形成する技法』(フェリックス・P・バイステック著/誠信書房)

当事者が主体的に問題解決するための手助けとは

『ケースワークの原則[新訳改訂版] 援助関係を形成する技法』(フェリックス・P・バイステック著/誠信書房

 ソーシャルワーク博士であるF・P・バイステックによる『ケースワークの原則 援助関係を形成する技法』は、困難を抱えたクライエントが主体的に生活することができるように支援を行うケースワークについて記した1冊です。1957年の刊行から既に半世紀以上が経つ所謂「古典」的名著として知られる一方、今なおその普遍的な考察からは多くの気付きを得ることができます。
■主体的に問題と向き合う手助け
 かつて、様々な困難や問題を抱えた人、時としてそれにより罪を犯してしまった人などは「救済」の対象でした。ソーシャルワーカーがそれらを診断し、救済に値するかどうか判断し、どのようにするべきだという断定や予断を元に一方的に救済は行われていました。本書は援助関係を形成することがケースワークの実践に不可欠であるとし、代わりに問題を解決してあげるのではなく、専門家として本人が主体となって自身の問題をする手助けをするための技法について7つの原則を挙げて解説しています。
■問題の主人公はクライエント
 各原則は「クライアントを個人として捉える」、「クライエントの感情表現を大切にする」、「援助者は自分の感情を自覚して吟味する」、「受け止める」、「クライエントを一方的に非難しない」、「クライエントの自己決定を促して尊重する」、「秘密を保持して信頼感を醸成する」となっています。人を人として捉え、時には援助者が自身の感情を振り返りながら、信頼に基づいた援助関係を築く手法であることが原則にも現れています。
 クライエントを勇気づけ、主体的な生活が営めるように支援をする、バイステックの手法は、労働組合でのエンパワーメントの考え方にも大きく通じるものがあります。問題に直面した仲間がその問題と向き合えるように支え、共に解決の道筋を見いだしていくことが労働運動にとっても大切です。代わってあげる、解決を請け負うといった行動が実は仲間のためにもならないのだということを改めて認識しました。
 稲葉一良(書記長)

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