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最低限知っておきたい「失業保険」の話【いなばの生活力向上計画 第16回】

いなばの生活力向上計画 第16回

最低限知っておきたい「失業保険」の話

 

 雇用保険に関する労働相談が増えています。「失業保険」等とも呼ばれますが、正確な名称は「失業等給付」。今回はどのようなときに失業等給付が受給できるかについて、基本的事項をおさらいしたいと思います。
■自己都合などの場合は2ヶ月の給付制限期間あり
 65最未満の労働者は、基本的に「離職の日以前2年間に12ヶ月の被保険者期間」があると失業給付の対象になります。金額と受給日数は、離職前の収入、年齢、算定の基礎となる被保険者期間により決まります。離職後、ハローワーク離職票を持って出頭し、求職の申し込みをし、7日間の待機期間、2ヶ月間(過去5年間で2回以上自己都合退職をした場合は3ヶ月)の給付制限期間を経た後、支給が開始されます。自己都合で辞めた場合であっても失業等給付は受給できるので覚えておいてください。
■会社都合や正当な理由による自己都合退職は給付制限期間なし
 会社都合や倒産、解雇、雇止めなどの理由で退職を余儀なくされた場合は、「特定受給資格者」や「特定理由離職者」に該当し、給付制限期間なしで失業等給付を受給することができます。
 また、心身の健康を損なった場合や、体力の限界を感じての離職などの正当な理由のある自己都合退職の場合も同様です。これらの場合、基本的に「離職の日以前1年間に6ヶ月の被保険者期間」があると失業給付の対象になります。
 特に特定受給資格者として離職した場合、他の受給資格に比べ失業等給付の給付日数は比較的長いものとなります。近年、職場環境のストレスから来るメンタル不調で離職する労働者が急増しており、(受給要件を満たすならば)この際に客観的に見て長時間労働が続くような環境なら「特定受給資格者」になり、そうでないケースでも多くが正当な理由による自己都合と認められるようなものです。
 限られた字数なので本当に基礎の基礎だけをお伝えしましたが、1点、誤解されがちな論点を最後に紹介して今月の締めくくりとしたいと思います。
■退職勧奨に応じた、は会社都合
 「退職勧奨に応じた」は会社都合であり、特定受給資格者に該当するものであるという点です。退職届を出したのだから自己都合だろうと多くの会社も労働者も誤解をしがち。これがトラブルの種となるケースが多発しています。しかし、助成金の都合や変なこだわりで退職勧奨をした事実すら会社が認めなければ、離職理由を変えることはできません。退職勧奨を受けたら、応じる応じないに関わらず、必ず録音などの証拠を残して相談してください。
 稲葉一良(書記長)

 

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