プレカリアートユニオンブログ

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時代の変化に合わせ組織が「やさしいチーム」に変わるべき理由を誰にでも分かりやすく、実践的に解説した1冊。『だから僕たちは、組織を変えていける』(斉藤徹著/クロスメディア・パブリッシング)

時代の変化に合わせ組織が「やさしいチーム」に変わるべき理由を誰にでも分かりやすく、実践的に解説した1冊


『だから僕たちは、組織を変えていける』(斉藤徹著/クロスメディア・パブリッシング)

dakaboku.jp

 かつて世界中の企業から目標とされ、「最強」の名を欲しいままにしたGE。率いたのは20世紀最高の経営者とも称されたジャック・ウェルチ。統制の取れたトップダウン型の組織だった。2000年前後に全盛期を迎えたこのアメリカを代表する大企業の没落は世界中に大きな衝撃を与えた。『だから僕たちは、組織を変えていける やる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかた』は起業家、経営者、研究者、執筆者、株式会社hint代表、株式会社ループス・コミュニケーションズ代表、ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授などの肩書きを持つ斉藤徹氏による1冊。
 新しい時代に求められるチームの形はトップダウンの組織ではなく心理的安全性がしっかりと確保されたひとりひとりを大切にする組織であることを論理的に且つ具体的に平易な言葉で解説していく。
■時代は変わった。組織はどうか?
 人の暮らしは自体と共に変わっていく。人類の生活は「農耕革命」から急速な発展を遂げた。次の大きな変革は18世紀半ばに始まった「産業革命」、そして、20世紀半ばにコンピュータによる「情報革命」が訪れると、変化は加速度的なものとなった。この情革命の中で、テクノロジーによる3つのパラダイムシフトが起こった。
 ソビエト崩壊の1991年に「デジタルシフト」が起こり、次第に誰もがインターネットに接続できる世の中が訪れた。リーマンブラザーズが破綻した2008年「ソーシャルシフト」が起こった。ソーシャルメディアが勃興し、人々の関係性が変わった。そして、新型コロナウイルスパンデミックが起こった2020年に「ライフシフト」が起こり、私たちは職場や仕事を改めて見つめ直す機会を得た。
 本書を読むことで先のGEの没落もこのような世の中の変化に対して、旧態依然のままの価値観を捨てられなかった故の必然的なものであったということが見えてくる。
■大切なのはひとりひとりの幸せ
 滅私奉公的にひとりひとりに組織全体のことを考えさせ厳しく統制していく組織に未来はない。メンバーの心理的安全性は組織の発展・持続可能性にとっても極めて重要な意味を持つ。「お金視点」を「幸せ視点」に変えていくことが求められていのだと本書は解説する。そのために「統制」を「自走」に変え、リーダーが強がりの仮面を外し、働く意味をメンバー全体で共有し、内発的な動機付けによりひとりひとりが行動する組織を目指していく必要がある。最終章で、変化はたったひとりからでも起こすことができることを示し締めくくられる。
 本書の考え方は、営利目的の会社組織だけではなく、私たち労働組合のような非営利の社会運動体も当然に射程に捉えている。組合に集まるひとりひとりの幸せは何か、皆でどのような労働運動の「意味」を共有していくべきなのか、私たち自身に問い直し、次世代に繋ぐ運動を作り上げていきたい。

稲葉一良(書記長)

 

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