プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

トップダウン型から共通課題に取り組むコミュニティの一員としての労働運動への変革を。『コミュニティ・オーガナイジングの理論と実践 領域横断的に読み解く』(室田信一・石上圭子・竹端寛著/有斐閣)

トップダウン型から共通課題に取り組むコミュニティの一員としての労働運動への変革を

『コミュニティ・オーガナイジングの理論と実践 領域横断的に読み解く』(室田信一・石上圭子・竹端寛著/有斐閣

www.yuhikaku.co.jp


 『コミュニティ・オーガナイジングの理論と実践~領域横断的に読み解く~』は室田信一、石神圭子、竹端寛編の1冊。同氏らをはじめ11名の著者によるCO(コミニュティ・オーガナイジング)の理論実践についての様々な論文を収録している。
■ひとりでは解決できない問題も力を合わせることで解決できる
 序章は編者のひとりでもある室田氏による執筆だ。そのなかでCOについて「変化を1人では起こすことができない人たちが、力を合わせることによって社会に変化を起こすことを可能にする手段である」と端的にわかりやすく解説している。コミュニティにとって共通の課題を見つけ出し、力を集約して目的を達成していくこの手法は労働組合にとっても大いに有益なものだ。
■社会的労働運動の重要性
 第3章「取引関係におけるコミュニティ・オーガナイジングの考察(著:山崎憲)」では労働運動とCOとの距離についての歴史的背景と共に解説している。労働運動はその歴史の中で、時に政権側につき地域コミュニティとの対立を引き起こすことがあった。
 日本の労働運動も大産別を中心とした労働組合が一部の特権的身分の労働者の為だけの労働運動を展開し、多くの社会的弱者である労働者の権利がほとんど顧みられなかった過去の上に立つ。現在、私たちの生活する社会は新自由主義によりごく一部の者 (資本家)が富のほとんどを独占することによる格差が深刻化し、多くの地域生活者である労働者が不安定な生活就労を強いられている。このような状況下において労働運動は地域コミニティの一員として、他の運動と有機的に繋がり行われなければならない。
 本書を労働組合の目線で読み解いたとき、やはり浮かび上がってくるのが社会的労働運動の重要性である。組織内だけに目を向けひたすらに組織拡大を目指す運動の行き着く先は地域との対立であり、そのような労働運動に未来はない。労働問題は社会問題であり、それは貧困・差別をはじめとする様々な社会的課題と地続きである。私たちコミュニティユニオンは、様々な問題を抱える地域の仲間1人ひとりをオーガナイズし、その社会的意義をしっかりと捉えコミニュティの課題として地域と連携し取り組んでいくことで初めて労働者の生活と権利を守ることができるのだと再認識した。
 稲葉一良(書記長)

 

【労働相談は】
誰でも1人から加入できる労働組合
プレカリアートユニオン
〒160-0004東京都新宿区四谷4-28-14パレ・ウルー5F
ユニオン運動センター内
TEL03-6273-0699 FAX03-4335-0971
メール info@precariat-union.or.jp
ウェブサイト https://www.precariat-union.or.jp/
ブログ https://precariatunion.hateblo.jp/
Facebook https://www.facebook.com/precariat.union
twitter https://twitter.com/precariatunion
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCAwL8-THt4i8NI5u0y-0FuA/videos
LINE労働相談 https://page.line.me/340sctrx?openQrModal=true