プレカリアートユニオンブログ

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イギリス炭鉱ストに学び闘う、労働運動を再建するために。『イギリス炭鉱のストライキの群像 新自由主義と闘う労働運動のレジェント』(熊沢誠著/旬報社)

イギリス炭鉱ストに学び闘う、労働運動を再建するために


『イギリス炭鉱のストライキの群像 新自由主義と闘う労働運動のレジェント』(熊沢誠著/旬報社

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 1984年3月から1985年3月にかけて、イギリスで炭鉱労働者達の歴史的な大規模ストライキが行われた。参加した労働者は実に13万人にも及ぶ。サッチャー政権の炭鉱閉鎖・人員削減と闘ったストは結果として大敗を喫するが、この闘いから今こそ私たちは学ぶべきだ。『イギリス炭鉱ストライキの群像~新自由主義と闘う労働運動のレジェンド~』について、著者で経済学者(労使関係論)の熊沢誠氏は「間違いなく私の最後の著書である」と本書執筆の意義と共に語る。歴史的炭鉱ストを振り返り未来の労働運動につなげる1冊。本書から、見えてきたこれからの労働組合の闘いについて紹介したい。
労働組合は地域と連帯して闘う
 労働者だけでなく労働者の家族を含む地域全体が連帯して闘った。自分たちの暮らしやコミュニティを守るため、ストライキは保守的ラディカリズムに基づき地域を一つにした。生活に窮する者があれば地域で支え、食事の配給も盛んに行われた。新自由主義は労働者の生活や雇用だけでなく地域コミュニティをはじめとする人々の繋がりをも破壊する。社会的労働運動であるこのストライキが急速に広がり地域と労働者の強い団結を生んだ事は決して偶然ではない。労働組合は地域の一員として社会的労働運動を展開していく必要がある。
■労働者は一貫して使用者・権力と闘う
 このストライキでは時に警官隊との衝突も起こり、死者が出ることもある事もあった。当然、けが人も続出した。しかし、労働者が同じ炭鉱労働者に対して暴力に及んだケースは極めて限定的であった点にも着目したい。労働者は互いに憎しみあい闘ってはならない。闘うべき相手としっかりと対峙し闘ったストライキだった。また、資本・権力側は労働者・市民の生活を全く無視しいかに卑劣で残酷な弾圧を加えるのかという点もこの闘いから克明に見えてくる。労働組合は分断を生み出すあらゆる差別を乗り越え連帯して闘う必要がある。
 このストライキの敗北の翌年、日本では労働者派遣法が施行され、新自由主義的雇用政策により労働者の置かれる状況は今なお苛烈を極めている。このときも今も、私たちが対決すべきは新自由主義であり、そのためには地域コミュニティの一員として「闘う」労働運動を展開していくことが重要だ。労働組合ストライキを行い権利の実現をすることを躊躇っていてはコミュニティやそこで暮らす人々の生活を守ることはできない。

稲葉一良(書記長)

 

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