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LGBT理解増進法成立の経緯と論点をまとめ緊急出版された1冊。『検証「LGBT理解増進法」』(神谷悠一著/かもがわ出版)

LGBT理解増進法成立の経緯と論点をまとめ緊急出版された1冊


『検証「LGBT理解増進法」』(神谷悠一著/かもがわ出版

www.kamogawa.co.jp


 「そもそも人権は、他人に理解など求める必要もなく、生まれながらに誰しもが持っている普遍的な権利です。『全ての国民が安心して生活することができる』などという前提を必要とするものでもありませんし、『国民』などという狭量なカテゴリーで語られるべきものでもありません。このような条文が取り入れられてしまったLGBT理解増進法は、もはや悪法以外の何物でもありません。このようなLGBT理解増進法の成立に抗議します。」
 LGBT理解増進法に対し、プレカリアートユニオン執行委員会及び、LGBTジェンダー平等チームが発した抗議声明から引用する。『検証「LGBT理解増進法」』は、差別を助長することにも繋がりかねないこの悪法がどのような議論の経過を辿りどのように今のような形になり制定されるに至ったかを記した1冊だ。著者は神谷悠一氏。同氏はLGBT法連合会理事・事務局長としてLGBT差別禁止法の成立を目指す活動を続けている。
■経緯をまとめた第1部と論点や「懸念」をまとめた第2部
 本書は法律制定後、間もなくして緊急出版された。著者らが運動で目指し求めた法案とは距離の空いた着地となってしまったが、それでもこの法案と向き合っていかなければならない、そのような思いで執筆に当たったということがあとがきにも書かれている。
 SOGIを巡る法整備の動きは2023年日本がG7サミットの議長国であったことが大きく関係し、首相秘書官による差別発言などを経て広く議論され、そして、様々な思惑や偏見の声に晒され形を変えこのような形での制定となった。この間当事者団体をはじめとする運動がどのような声を伝えてきたか、それがどう受け入れられそして、スポイルされたか。第1部からは急速に展開した法案制定までの流れが見えてくる。第2部はQ&A方式で抱かれがちな疑問似答えていく。回答は政府答弁に基づくものであり、女性の安全に基づき差別的に語られがちな論点であるいわゆるトイレ問題については、別途コラムを設け解説している。
 冒頭に述べたとおりLGBT理解増進法は悪法といわざるを得ない。しかし、筆者の言うとおり、それでも私たちはこの法律と向き合っていかなければならない。100頁程の本書だが、内容はとても厚い。ぜひ手に取って一読を勧めたい。
 稲葉一良(書記長)

 

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