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弁護士が安全に仕事をするためのノウハウは労働相談・支援・伴走にも活用できる 。『弁護士の護身術』(深澤諭史著/第一法規)

弁護士が安全に仕事をするためのノウハウは労働相談・支援・伴走にも活用できる

弁護士の護身術』(深澤諭史著/第一法規

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 『弁護士の護身術 人的トラブルに巻き込まれないための心得』は、インターネット上の法律問題などに取り組む弁護士の深澤諭史氏による1冊。読んで字の如く弁護士の護身術について記している。護身術といっても、格闘技などフィジカルな意味での護身術ではなく、どうすればトラブルに巻き込まれないか、無駄に消耗せず弁護士業務を行っていくことができるかなどについて記されている。
■依頼者・相談者は弁護士の「敵になり得る」
 弁護士が嫌がらせを受けるというと相手方からと想像しがちだが、実際は相手方だけでなく本来味方であるはずの相談者からも様々な攻撃を受ける。本書では依頼主からの「護身」を護身術のなかではじめに解説するが、その文量は全体の約半分にも及ぶ。
 弁護士を嫌がらせの道具に使いたがる人、法的に到底通らない要求を通せないことに対し逆恨みをする人、自分の思ったとおりの方法で主張するよう圧力を掛ける人などなど、弁護士は依頼主からも、不当に懲戒請求を受けたり誹謗中傷されるなど嫌がらせを受けるリスクに晒されている。
 当然、依頼主は本来的に「敵」ではない。しかし対応を誤ると後から撃たれてしまうこともある。そのようなことが起こると弁護士だけでなく依頼主自身の利益を損ねることにも繋がるため適切な対応が必要だと本書は主張する。
 依頼主からの護身術だけでなく相手方からの護身、メディア対応について発言が意図せず使われないようにどうすればいいか、SNSでの発信で気を付けるポイントは何か、もしネット上で誹謗中傷されたらなどの第三者・メディアからの護身についても本書で著者の実際の体験を踏まえ解説されている。
 前述の通り、本書のなかで依頼主からの護身はとても重要な位置づけになっている。弁護士が円滑に業務を行う上で最も大切なことの1つに依頼主との信頼関係がある。依頼主からの「護身術」は、いかにして依頼主との信頼関係を構築しそれを壊さないように行動すべきかという、信頼関係を守るための「護身術」ともいえる。
 依頼主の権利の実現のために本人とトラブルを起こさないための弁護士の処世術は、労働相談や支援・伴走の現場での相談者・当事者と関わり方とも通じるものがある。
 稲葉一良(書記長)

 

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