プレカリアートユニオンブログ

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差別・排除のための議論ではなく差別禁止・正義のための議論を。『トランスジェンダー問題』(ショーン・フェイ著/明石書店)

差別・排除のための議論ではなく差別禁止・正義のための議論を

トランスジェンダー問題』(ショーン・フェイ著/明石書店


 日本でもトランス女性の女性トイレ利用について議論が行われ、その中で様々な差別的言動が飛び交っています。『トランスジェンダー問題 議論は正義のために』は、ショーン・フェイ氏(イギリス・ブリストル出身。現在はロンドンを拠点に活動。弁護士としての訓練を受けた後、執筆活動やキャンペーン活動を行うために退職し、慈善団体Amnesty InternationalやStonewallで働いている。Dazedの編集長を務めたほか、Guardian、Independent、Viceなどで執筆活動を行っている。プロフィールは本書より引用)による1冊。本書が同氏初の著書となる。訳者は高井ゆと里氏。群馬大学情報学部准教授で主専攻はハイデガー哲学と研究倫理です。
トランスジェンダーに対する様々な嘘とデマ
 本書は、「トランスジェンダー問題」に対し正しく議論をするための前提となる知識を幅広く解説した1冊です。例えばハリーポッターシリーズで有名なJ・K・ローリング氏がトランス差別の発言をするに至った思想的社会的背景などについても掘り下げて触れられており、単に本来何が正しいのかだけでなく、どのような理由からどのようなデマが発生しそれが社会にどう定着していき差別・偏見を生んだのかなどについても明らかにされています。現在、日本国内で行われているトイレ問題の議論をとっても、実態としてトランス女性はそうでない女性より性被害を受ける可能性がもの極めて高いにも関わらず、そのような面は全く論点から切り捨てられ、無根拠に加害を行う犯罪者であるかのような前提で「女性を守る」という理屈のもと信じられない差別的な発言が行われています。これらの発言の前提がことごとく偏見とデマで形作られたものである以上、その前提を正さない限り差別・排除の議論以外の起こる余地がないのが現状であり、本書を読むことでその議論を行うに足る認識を得ることができます。
■人権はパイの奪い合いではない
 差別は様々な分断を生みます。その分断が為政者にどのように都合よく利用され続けてきたか、そして、連帯の輪を外れ誰かの権利を否定することを以て自分たちだけ助かろうとする考え方がいかに合理性を欠いた考え方であり社会や様々な運動そのものに対し悪影響を及ぼすものであるかについては、本書でも強調して取り上げられています。誰かの権利を認めることは誰かの権利を奪うことにはならない。人権はパイの奪い合いではありません。様々な権利が認められることで皆にとって生きやすい社会の実現に繋がるという考え方を持たずして、誰もが安心して暮らすことのできる世の中は実現しません。

稲葉一良(書記長)

 

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