プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

「日本三大オルグ」の組合運営、組織化のノウハウ・心構えが学べる1冊。『小さな労働組合 勝つためのコツ』(鈴木一著/寿郎社)

「日本三大オルグ」の組合運営、組織化のノウハウ・心構えが学べる1冊

『小さな労働組合 勝つためのコツ』(鈴木一著/寿郎社

 

 労働組合オルグ(オルガナイザー)の仕事は職人芸ともいわれます。突出した個人の才覚と経験・現場のカンなどに依拠したスタイルの労働運動では次世代が育たず、第1世代の高齢化により運動が損なわれてしまいます。
 そこで、現在労働運動全体で次世代に技術やノウハウを引き継いでいくための取り組みが様々に行われています。「小さな労働組合勝つためのコツ」は札幌地域労組で実に四半世紀近く書記長を務め現在も同労組副委員長である鈴木一氏による、1冊です。著者は「日本三大オルグ」の1人としても知られ、様々な業種での組合結成を手がけています。本書は時代を作った敏腕オルガナイザーが次世代に向けて自身の長年の経験を踏まえた組合活動の心構えノウハウを記した1冊としてとても意義のあるものです。
■労働相談を受けることは組合結成の第一歩
 本書でまずはじめに述べられているのは、労働相談について。労働組合は復讐を代行するところではないということなどの労働組合とは何かについてしっかりと伝えることの大切さについて丁寧に記されています。また、労働相談を受けることこそが組合結成の第一歩であると位置づけ、個別の問題として対応するか(しないもしくはできないか)、支部組合結成を目指すかなどの見極めも同時に行っていくのだということも記されています。
■ノウハウだけでなく心構えや考え方も示す
 他にも、組合結成の準備や規模毎の戦略(考え方)、不当労働行為への対応、団交の仕方や争議など、組合活動で必要な要素が網羅されています。また、単にノウハウだけに留まらず、弁護士を不要に怖れないことや、同じような条件であっても相手によって問題解決に要する時間や労力には大きな開きがあることなど、運動をしていく中での心構えや構造についての理解を促す内容もふんだんに盛り込まれています。また、ひとつひとつの問題への取り組み方に留まらず、より重要になってくる、組合(支部)を長く維持・存続させるために必要な要素、考え方についてもしっかりと押さえられています。
 本書は、専従や組合役員、支部のリーダーにとって特に有用な1冊だと感じましたが、それに限らず、労働組合とさまざまな関わり方をしている組合員にとっても組合活動全体への理解を深めてくれる1冊だと思います。また、本書を読み、著者のような労働運動のベテランオルグからしっかりとその知識や技を受け継ぎ、更に次世代について次世代に引き継いでいく現役世代の役割を一層強く感じました。
 稲葉一良(書記長)

 

【労働相談は】
誰でも1人から加入できる労働組合
プレカリアートユニオン
〒160-0004東京都新宿区四谷4-28-14パレ・ウルー5F
ユニオン運動センター内
TEL03-6273-0699 FAX03-4335-0971
メール info@precariat-union.or.jp
ウェブサイト https://www.precariat-union.or.jp/
ブログ https://precariatunion.hateblo.jp/
Facebook https://www.facebook.com/precariat.union
twitter https://twitter.com/precariatunion
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCAwL8-THt4i8NI5u0y-0FuA/videos
LINE労働相談 https://page.line.me/340sctrx?openQrModal=true

 

jurousha.official.ec