【解決報告&組合員の手記】
憧れのファッションブランド事務所に入社するも
長時間労働、残業代不払い、社会保険未加入……
パワハラで休職するもPUに加入して2ヶ月で解決
クリエイティブな業界の就労環境を変えたい
私は2020年に美術大学卒業後、都内に事務所を構えるファッションブランドのアシスタント兼デザイナーとして新卒入社しました。
ブランドの代表は学生の頃から関わりのある憧れの人物で、当時従業員採用は行っていなかったのですが直談判し、採用してもらいました。その際ブランドの代表からは、「クリエイティブ系は正直ブラックだよ」と言われましたが、当時私もその認識は当たり前だと感じており自分の憧れの業種だから致し方ないと思っていました。
■飲酒した代表者からのパワハラも
ですが、事務所の労働環境は想像以上にブラックでした。
長時間労働に加えて残業代は全く支払われず、しかも社会保険にも全て未加入というずさんな環境が常態化していました。
さらに働くにつれ、代表から指導と評したパワーハラスメントを受け始め次第に自尊心がなくなっていきました。
業務中や深夜に口頭やLINEメッセージで私生活や趣味嗜好について追求や介入され、それらを充実すべきだという指摘し、なおかつ業務と結びつけ評価の様なことをしてきたり、「お前の発言は面白くないから無視する」「ブランド内のお前の立ち位置は脆弱だ」「なぜお前はこのブランドで働いているんだ」など、こちらも同様に業務時間内外に関わらず強い言葉や文面で指導をされました。
時には業務と全く関係のない私の人間性や人格に対して到底指導とは思えない誹謗中傷されたこともあり、ハラスメントの際には代表が飲酒している状態も多々ありました。
■自尊心も判断力も奪われ
そのような労働環境から、代表の指導やブランドが求める業務をこなせない原因は自分に能力がない為だと感じ、より長時間業務にのめり込んだり代表からの評価のために私生活や趣味嗜好を過剰に意識するようになりました。
初めの時は「未払いや強い指摘はクリエイティブ業界だから仕方ない」となんとか自分に言い聞かせていましたが、休職する直前には「自分がブランドで貢献できる能力は安い人件費で馬車馬の如く働けることのみ」とさえ思うようになり正常な判断を行えなくなっていました。
■うつ病を発症し休職、組合加入へ
ですが、2023年10月にアルバイトを雇うことになり、何故かその方にはきちんと働いた時間通りの給料を支払われていることを知り、そこからブランドに対する不信感を強く感じ初めました。
そして2024年の10月に心身ともに限界を迎えうつ病を発病し休職することになりました。
その際、ソーシャルワーカーの友人に助けを求め事情を話した際、「貴方は何も悪くないです」と言ってくれたことがとても救いになり、ようやくそこから現場を正常に判断できるようになりました。
その後、友人からプレカリアートユニオンや労使交渉について教えてもらい勇気を出して組合に加入し事務所と闘うことに決めました。
■自分の口で要求を伝えられた
交渉の際、勤怠記録や雇用契約書等が必要だったのですが、ある程度正確な時間をLINEでメッセージとして残していたり、入社時に雇用契約書を発行してほしいと頼んでいたため、これらが強い交渉材料となりました。
ハラスメントの証拠等をまとめる際フラッシュバックに悩まされましたが組合役員や友人にサポートによりなんとかまとめることができました。
交渉は比較的スムーズに進行したのですが、ブランド側からいくつか不当な要求や発言があった際は組合員が強く抗議してくださいました。
また、隣に居てくれる心強さから今まで伝えることができなかった労働環境の改善や思いを自身の口で伝えることができました。
■交渉申入れから2ヶ月で解決
ハラスメントに関しては代表から善意による指導だったと伝えられました。
しかし、例え善意による指導として行なっていても状況や言葉などを正しく選ばなければハラスメントになると組合員と共に本人に伝え、最終的に本人及びブランドからハラスメントと賃金未払いに対し謝罪釈明をしてもらい、再発防止策や社会保険加入など労働環境の改善と、要求した金額分の解決金の支払いを約束してもらい交渉申し入れから2ヶ月という短期間での解決ができました。
■業界に対してもよいアクションができた
正直、交渉を行うことに対して様々な思いがありプレッシャーを感じていました。ですが、交渉が終わった後、組合役員や友人から「貴方がブランドに対して労使交渉を行なったことは、貴方だけでなく代表や他従業員やこれから入ってくる新たな社員の労働環境を改善されるキッカケを作ったんです。それは業界に対して良いアクションをしたと思いますよ」と伝えられた時に交渉を行なって良かったなと思いました。
今回2ヶ月という短期間の解決ができたのは、共に闘ってくださった組合員の皆様と心のケアをしてくださった多くの友人や家族の協力があったからこそだと思います。
この場を借りて改めて皆様に感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
現在もハラスメントのフラッシュバックに悩まされる時もありますが、一先ず生活が担保された環境で休職することができ、落ち着いて今後の人生を考えることができています。
「クリエイティブ業界は不当な扱いが当たり前」というのは当たり前ではなく、どんな職業でも正当な報酬や扱いを受けるべきだと思います。
今後は自分ができる限り同じ思いを抱えている人たちの力になれればなと思います。
K(組合員)
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