プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

【勝訴報告】佐賀豊社労士による稲葉書記長に対する暴行などの損害賠償請求訴訟で東京高裁が違法な有形力の行使(暴行)と認め慰謝料10万円の支払を命じる(3月19日・東京高裁)

【勝訴報告】
佐賀豊社労士による稲葉書記長に対する暴行などの損害賠償請求訴訟で
東京高裁が違法な有形力の行使(暴行)と認め慰謝料10万円の支払を命じる
(3月19日・東京高裁)

 

■東京高裁、暴行の違法性を認定し慰謝料の支払いを命令
 佐賀豊社労士による稲葉書記長に対する暴行事件などの損害賠償請求訴訟の控訴審で、東京高等裁判所は、3月19日、東京地方裁判所の判断を変更し、裁判で争われた各行為について「第1審被告佐賀による行為はいずれも違法な有形力の行使であると認められ、かつ、過失相殺は相当ではないから、慰謝料10万円の限度で認容されるべき」として、佐賀豊社労士に対して、稲葉書記長に10万円および令和5年10月20日から支払済みまで年3%の遅延損害金を支払うよう命じました。

■名誉毀損に関する組合の請求は同定可能性などを理由に棄却
 佐賀豊社労士による稲葉書記長への暴行によりプレカリアートユニオンが被った損害と佐賀豊社労士によるプレカリアートユニオンに関するブログ記事(1点)が名誉毀損であるとするプレカリアートユニオンの損害賠償については、損害を認めず記事については同定可能性がないなどとして控訴を棄却しました。

■団体交渉中に発生した暴行事件の経緯
 2023年10月20日、プレカリアートユニオン事務所において、池袋駅近くの「長汐病院」を運営する社会医療法人大成会との団体交渉が行われた際、団体交渉の途中で、大成会側の代理人である濱川俊弁護士と佐賀豊社労士が、団体交渉を拒否して退席しようとしたことを契機に、佐賀豊社労士が稲葉書記長に対して暴行に及びました。

■第一審判決の内容(暴行一部認定・既払処理)
 東京地裁は、2025年8月28日、佐賀豊社労士にプレカリアートユニオンに対する名誉毀損で10万円の支払いを命じ、稲葉書記長の損害3万円は既払の範囲内と判断する判決を出していました。東京地裁は、事務所フロアのエレベーター内で倒れていて佐賀豊社労士に抵抗していない稲葉一良書記長に対して行われた、左大腿部を踏みつける、腰部分を高く持ち上げ落下させる、という暴行について、不法行為が認められると判断し、損害額は3万円と判断しました。ただし、佐賀豊社労士はすでに(診療費を請求した稲葉一良書記長に対し、佐賀豊社労士の代理人が5万4242円を支払ったことについて)5万4252円の支払いをしているとして、既払金の範囲内であるとしました。
 この第一審判決に対し、原告・被告双方が控訴していました。

■東京高裁による暴行事実の詳細認定
 東京高裁は、団体交渉が拒否された直後、稲葉書記長が膝立ちになっているところを佐賀豊社労士が蹴ったとの事実が認定できると判断。
「第1審被告佐賀が第1審原告稲葉の右脇下に自身の左腕を入れ、第1審原告稲葉の背中を左手で押し、本件出入り口に進もうとして、第1審原告稲葉を転倒させたもの」
「本件ホール及び本件踊り場において、第1審被告佐賀が、第1審原告稲葉の右前腕下部分をつかみ、手前に引いたもの」
「左腕をひねり上げたり、左脇下又は左腕をつかんで押したりしたもの」
「右腕部分をつかみ、押したり、足をかけたり、首元を右手で押したり、上着をつかみ押したり、服を引いたりして、転倒させたもの、上着をつかんだり、首元を押さえつけたりしたもの」
「左肩付近の上着をつかみながら第1審原告稲葉を押さえつけ、その際に髪をつかんだもの」
「本件エレベーターにおいて、第1審被告佐賀が、第1審原告稲葉の左肩あたりをつかみ押して転倒させたり、本件エレベーターに乗る際にその脚又は腹部を踏んだりしたもの」
「本件エレベーター内で右足で第1審原告稲葉の左大腿部を踏みつけたもの」
「腰ポーチの紐をつかんで腰部分を持ち上げ、手を放し落下させたもの」

■一連の行為は反復的・執拗な暴行と評価
 以上の行為は、「あからさまな有形力の行使であり、行為態様自体からして、偶発的な身体の接触ではなく、意図的なものと認定できるもので、その程度も軽微であるとは言い難く、反復的で執拗である。」と判断。

■稲葉書記長の行為は違法とならず
 稲葉書記長が「第1審被告佐賀を退出させまいとして体を盾にしているが、通行を妨げる行為を超えて、第1審被告佐賀をつかんだり押したりといった物理的な接触を図るものではなく、暴行と評価できる行為はなかった。」「第1審原告稲葉が第1審被告佐賀の退出を妨げようとした契機は、第1審被告佐賀から蹴られて転倒したこと(本件行為1)にあり、その後、間もなく警察を呼ぶという状況になった中で、第1審被告佐賀が有形力の行使を繰り返していたという事情があるから、警察官が臨場するまでの限定された時間において、暴行の加害者と認識している相手方である第1審被告佐賀を留め置こうとしたにすぎないというべきであり、違法性や過失があるとは評価できない。」とも明確に判断しました。

■正当防衛・過失相殺はいずれも否定
 したがって、佐賀豊社労士の行為は稲葉書記長に対し、「暴行を行ったものと認められ、正当防衛は成立せず、過失相殺も認められない。」と判断しました。

■名誉毀損請求の棄却理由
 プレカリアートユニオンが佐賀豊社労士のブログ記事1点について名誉毀損であるとして損害賠償請求をした点については、同定可能性などを理由に認めませんでした。

■組合の当事者適格を明確に肯定
 なお、被告側は、プレカリアートユニオンについて「決議不存在確認訴訟」の判決を理由に「憲法上の労働組合でも、労働組合法所定の法適合組合でもない。」として訴えの適法性ついても問題があると主張していたことについては、東京高裁は「資格審査を経て法人登記がなされている第1審原告組合の法適合組合の要件該当性が否定される根拠はなく、法人格が当然に失われるものでもないから、当事者能力は問題となる余地はない。」「そして、第1審原告組合が自ら損害を被ったとして損害賠償請求している本訴において当事者適格を欠く理由もない。」とし、定期大会での追認手続きについても「これを否定すべき根拠もない。」とし、プレカリアートユニオンの請求を不適法とはいえないと判断しました。

■佐賀豊社労士は真摯に反省を。社労士会も対応を
 本判決により違法性が明確に認定された以上、佐賀豊社労士には、自らの行為について真摯に反省し、判決に従い速やかに慰謝料の支払いを行うとともに、再発防止に向けた誠実な対応を行うことを求めます。あわせて、社会保険労務士会に対しても、本件の重大性を踏まえ、専門職としての倫理と信頼を守る観点から、適切な検証と必要な対応を行うことを強く求めます。

 

佐賀豊社労士による暴行の動画

youtu.be

東京地裁判決の報告記事

precariatunion.hateblo.jp

労働相談はプレカリアートユニオンLINE労働相談へ。

page.line.me

 

【労働相談は】
誰でも1人から加入できる労働組合
プレカリアートユニオン
〒160-0004東京都新宿区四谷4-28-14パレ・ウルー5F
ユニオン運動センター内
TEL03-6273-0699 FAX03-4335-0971
メール info@precariat-union.or.jp
ウェブサイト https://www.precariat-union.or.jp/
ブログ https://precariatunion.hateblo.jp/
Facebook https://www.facebook.com/precariat.union
twitter https://twitter.com/precariatunion
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCAwL8-THt4i8NI5u0y-0FuA/videos
LINE労働相談 https://page.line.me/340sctrx?openQrModal=true