プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

労働組合は互いに助け合う組織。組合員は「お客さん」ではありません

 新しい加入者を迎えており、新型コロナウイルス感染対策で、組合の仲間が集まる機会が減っているため、組合の主旨や目的についても改めてお伝えします。
 組合に加入するときに必ずご説明していることですが、労働組合は、問題の解決を請け負ったり代行したりするところではなく、組合員自身が、主体的に自分の労働条件の維持向上のために主人公となって活動に取り組むのを、組合の仲間どうし助け合い、支え合いながらともに目的を達成していくところです。
 組合の役員も専従(組合から行動費を支払っている専従役職員)である私自身も、ほかの2人の専従役職員も、役割の違いはあっても、私たちは、労働者どおし、組合員どうし、目的のためにともに助け合って活動する仲間です。

 会費を払っているだけでは強くなれない
 労働組合は、「組合費を払っているのだから何をしてくれるのですか」というお客さんのような姿勢で臨むところではありません。お客さんのメンタリティは、最小限の費用と労力で最大の効果を得ようとするものですが、労働組合は、助け合いの組織なので、お客さんとして関わる組合員の割合が大きくなると組合が弱くなってしまいます。
 お客さんのメンタリティでは、自分自身が(会社との関係において職場の問題を解決していけるという意味での)強くなることもできません。
 プレカリアートユニオンが相当の交渉力を持っているのは、各職場で、組合の事務所内外で主体的に活動している組合員がいるからです。
 組合費を払っているだけでは、自らも組合も強くすることはできません。例えていえば、毎月ジムやスポーツクラブの会費を払っていても、自分でスポーツクラブに行って体を動かさなければ、体を鍛えることはできず、力を強くすることもできません。
 ジムやスポーツクラブの会費を払っているから、誰かが自分の手足を動かして筋肉を鍛えてくれるわけではありません。
 組合も同じで自分で、自分が自分の人生の主人公として強くなるには、仲間と助け合い、自分の体を動かして主体的に活動をする必要があります。

 組合のあらゆる活動は助け合い
 街宣に参加したり、チラシをポスティングしてくれたり、組合事務所でチラシを折ったり、書類をシュレッダーにかけるといった作業を手伝ってくださっている組合員が何人もいます。支部の組合員の日常の仕事や生活について相談を受け、本部と共有して対応してくれる支部役員がいます。組合は、組合員自身の主体的な活動によって成り立っています。
 もちろん組合活動はノルマではありません。誰かがこのくらい活動をしているから、自分も同じようにしなければならないという義務はありません。
 役員、専従を含む組合員が、働く者の力を高めるための夢や構想を話し合いながら、それぞれ一定の費用と労力を出し合って、法的に様々な権利が保障されて力を持つ労働組合を維持しているのです。
 組合員と組合役員、専従者はともに助け合う仲間であり、役員や専従者が組合員にサービスを提供する関係ではありません。
 加入時には、このような主旨をご説明していますが、「自分が組合にとってクライアントなのだからもっとこうすべきだ」という不満を表明される方もなかにはいらっしゃいます。クライアントではない、という点だけ誤解のないように繰り返しご説明しています。
 私も含め役員も専従も欠点のある人間です。クライアントだから、ということではなく、仲間どうしのコミュニケーションをする上で、お互いにもっとこうしたい、こうありたい、こうしていきたいというご意見は、どんどんおっしゃってください。

 非常に活発な活動のなかで
 役員も専従も体は一つですし1日は24時間しかありません。私個人のことを言えば、ほぼ組合活動に身を捧げている状態ですから、緊急なことに対応していれば、同時に他のことには対応できない場合もあります。
 プレカリアートユニオンの活動は非常に活発です。忙しぶるのは恥ずべきだと思いますし、個人の過重な活動に依拠するのはいいこととではなく、改善が必要ですが、徹夜で仕事をすることもあります。
 私自身は、多忙なことや活動の負荷が強いことはまったく厭いません。
 ただし、私を含む専従の時間や労力という資源を組合や組合員が有意義に使うという意味では、連絡のとりかたに軽重をつけ、工夫をしていただく方がよいこともあります。
 これは特定のどなたかのことではありません。職場でご自身をとりまく状況で不安がいっぱいであったり、自分のことをまず分かってほしいということになりやすい、お気持ちはよく分かります。
 とはいえ、電話でゆっくり話せるかどうかを事前に確認していただく方が、私を含む専従も余裕をもって話せると思います。専従以外の役員は、働きながら組合活動をしています。電話に出られることもあれば、出られないこともあります。
 また、急に解雇された、仲間が労災事故で倒れたといった、急を要するご相談なのか、事情を書いてメールで確認を求めればよいことなのか、優先順位をつけてご連絡いただくと、組合全体にとって有意義です。

 助け合ってこの困難を乗り越えよう
 不安定な雇用や生活をしてきたこと、職場で嫌がらせをされた、などさまざまな事情で、精神的に不安定であったり、困難を抱えていたり、利己的であったり、同僚や経営者への恨みが強かったり、多罰的な考え方に傾きがちな方もいます。
 交渉や活動の手法については、組合としてできること、できないことをしっかりお伝えして話し合っています。当事者が、やりたいことをやりたいように会社に求められるとは限りません。自分を取り巻く状況を客観的に、合理的に把握することも必要です。
 私たちはともに助け合う仲間です。同じ職場や支部の仲間に、このような組合の主旨を誤解している方がいたら、仲間どうしてぜひ伝えあってください。
 新型コロナウイルス感染拡大によって、介護、警備の職場を中心に影響が広がっています。お子さんの学校が休校で働けない日を有給の休暇としてほしい、という相談も寄せられ、交渉をした結果、有給の休暇とすることが実現できました。
 会社都合の休業を社員には10割補償するのに、非正規労働者には6割しか補償しないといった労働相談も寄せられ、団体交渉を申し入れています。人と会う機会が減り、気持ちが落ち込みやすい仲間もいるでしょう。組合のつながりを確かめ合い、助け合って、これから起きる事態を乗り越えていきましょう。

 清水直子(執行委員長)

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劳动纠纷解决报告 外商医疗用品生产公司内发生的职场霸凌 小小录音机立大功

中国語訳(簡体字

劳动纠纷解决

  外商医用品生公司生的职场霸凌 小小音机立大功

(文章の段落の目安に、参照用の日本語を表示)

解決報告 

ボイスレコーダーに救われた 外資系ヘルスケア企業でのハラスメント問題

 

我被全球拥有数万名员工生产医疗用品的外商A公司日本分公司录用,于2014年2月以签约员工的条件开始上班,我被发配到的单位是总务部门。

自我进公司之后总务部门就换过了3个主管。这次利用上司职权进行职场霸凌行为的员工就是我第4任的主管C。

主管C于2017年2月进公司,我与主管C之间起初关系良好,甚至在他的提拔之下,2018年5月我从签约员工升为正职员工。

 

 越唱越过分的黄腔

 エスカレートする下ネタ発言

 

就在这个时期,公司决定将办公室的面积缩小,解除掉一部分的租赁合同并同时进行室内装潢的翻新工程,总务部也因此进入繁忙的颠峰。

也在此时主管C的上司也就是人事部长被公司开除,公司另外又从外面招聘了一位新的人事部长进来,或许是在这样重重的环境变化发生之下,导致主管C在工作上的指示渐渐缺乏了合理性及一贯性。常常把把到手的业务不经过考虑就"直接丢给"部下去做。也开始会对我说一些黄色笑话带来不舒服的困扰。

在这一连串事情发生之后,我曾经向主管C讨论过关于他自己最近的言行,但主管C并没有因为经过这类的对话之后检讨改善,职场欺压的情况却是越演越烈。

于是我开始出现想把主管C开黄腔时的声音纪录下来的念头,不久之后我开始带著录音机上班了。

 

 向公司的法令违规对应窗口报告之后反遭报复

 社内で相談したら意趣返しが

 

2019年6月某日我向公司的「法令违规对应窗口」及人事部长K 针对主管C这一阵子以来的作为提出报告并希望公司查证事实要求改善。

几天之后,主管C的态度上发生了很大的变化。不再讲黄色笑话了,但是常常在工作指示的时候特别强调”这是业务命令”等严厉的言词对属下施压(尤其是对我)。我开始觉得情况不太对劲,过一阵子我向人事部长K 汇报了主管C的近况并问到前一阵子向她报告要求查证的事情况如何? 这时人事部长就只回答一句「公司已对那件事做过了对应」,之后人事部长也从没再对此事做过任何的跟进调查。

同年的7月,主管C突然要我把原本自己担任的一份重要职务,接手给别的总务部门员工负责,我听从主管C的业务命令,把这个项职务交接给别人。但主管C之后也没有分配给我新的职务来填补。

这就是主管C对我报复使出的第一招「砍业务」。接着12月再次要砍掉我份内的工作命令我与其他人交接职务的时候,我前往劳动者工会的Precariat Union 与工会职员说明自己这半年来在职场上遭遇到的事,正式加入工会会员后,针对主管C一切的职场霸凌骚扰行为透过工会向公司提出了集体谈判的要求,并于本年1月与公司进行第一次谈判。

 

 抵抗PIP(业务改善计画),提交录音证据

 PIPへの反論と下ネタ発言の音声提出

 

 在公司不晓得我备有主管C的录音证据的情况之下进行了第一次的集体谈判。在这场谈判里,到谈判结束为止公司终究不承认主管C在职场的霸凌骚扰行为以及人事部长K一直以来对于本件缺乏充分对应及跟进的事实,反倒单方面的以我本人缺乏工作能力为由,要求立刻对我实施业务改善计画(简称PIP)。

我经过这次谈判之后,下了一定要公司认错反省的决心。便开始着手下一次的集体谈判的准备。

首先是整理主管C过去讲过的黄色笑话的录音纪录出来,再对公司向我要求的PIP内容进行检视,检视之后发现公司所要求的PIP,其内容层次极低每一项都远不足称为业务改善计画。于是我方对公司所要求的PIP以书面针对每一个要求提出了质寻 ,同时附上了主管C的黄腔录音档案到公司。之后公司开始改变态度了。

回覆来的答覆函里公司承认了主管C的骚扰行为并致上歉意,但关于被提问质寻的PIP的内容则无法给予合理的解释,于是我方也就此加强对公司的质寻要求对PIP的目的做出合理的解释,不久之后公司主动向工会提出讨论结束纠纷的和解方案。当时我个人也已经失去复职A公司的意志,同意和解的方案。

几天之后公司的代理律师来到工会办公室与工会进行纠纷和解的协商,在协议条件谈妥后,后日公司,工会,我三方便正式签署了和解协议书。本件告一段落。

在与公司签订的协议当中包括要求公司对防止职场霸凌的复发必须定期实行内部研修,公司虽然在协议书上盖章答应但实际上现在公司里因为被不当实施PIP之下面临自主离职的员工同仁还是继续存在着。

我真诚的希望公司董事会阵营能够对这次针对的问题正面看待,尽全力停止同样受害者的增加。

会员N

 

 

中国語訳(繁体字

勞動糾紛解決報告

  外商醫療用品生產公司內發生的職場霸凌 小小錄音機立大功

(文章の段落の目安に、参照用の日本語を表示)

解決報告 

ボイスレコーダーに救われた 外資系ヘルスケア企業でのハラスメント問題

 

我被全球擁有數萬名員工生產醫療用品的外商A公司日本分公司錄用,於2014年2月以簽約員工的條件開始上班,我被發配到的單位是總務部門。

自我進公司之後總務部門就換過了3個主管。這次利用上司職權進行職場霸凌行為的員工就是我第4任的主管C。

主管C於2017年2月進公司,我與主管C之間起初關係良好,甚至在他的提拔之下,2018年5月我從簽約員工昇為正職員工。

 

 越唱越過分的黃腔

 エスカレートする下ネタ発言

 

就在這個時期,公司決定將辦公室的面積縮小,解除掉一部分的租賃合同並同時進行室內裝潢的翻新工程,總務部也因此進入繁忙的顛峰。

也在此時主管C的上司也就是人事部長被公司開除,公司另外又從外面招聘了一位新的人事部長進來,或許是在這樣重重的環境變化發生之下,導致主管C在工作上的指示漸漸缺乏了合理性及一貫性。 常常把把到手的業務不經過考慮就"直接丟給"部下去做。也開始會對我說一些黃色笑話帶來不舒服的困擾。

在這一連串事情發生之後,我曾經向主管C討論過關於他自己最近的言行,但主管C並沒有因為經過這類的對話之後檢討改善,職場欺壓的情況卻是越演越烈。

於是我開始出現想把主管C開黃腔時的聲音紀錄下來的念頭,不久之後我開始帶著錄音機上班了。

 

 向公司的法令違規對應窗口報告之後反遭報復

 社内で相談したら意趣返しが

 

2019年6月某日我向公司的「法令違規對應窗口」及人事部長K 針對主管C這一陣子以來的作為提出報告並希望公司查證事實要求改善。

幾天之後,主管C的態度上發生了很大的變化。不再講黃色笑話了,但是常常在工作指示的時候特別強調”這是業務命令”等嚴厲的言詞對屬下施壓(尤其是對我)。 我開始覺得情況不太對勁,過一陣子我向人事部長K 匯報了主管C的近況並問到前一陣子向她報告要求查證的事情況如何? 這時人事部長就只回答一句「公司已對那件事做過了對應」,之後人事部長也從沒再對此事做過任何的跟進調查。

同年的7月,主管C突然要我把原本自己擔任的一份重要職務,接手給別的總務部門員工負責,我聽從主管C的業務命令,把這個項職務交接給別人。 但主管C之後也沒有分配給我新的職務來填補。

這就是主管C對我報復使出的第一招「砍業務」。接著12月再次要砍掉我份內的工作命令我與其他人交接職務的時候,我前往勞動者工會的 Precariat Union 與工會職員說明自己這半年來在職場上遭遇到的事,正式加入工會會員後,針對主管C一切的職場霸凌騷擾行為透過工會向公司提出了集體談判的要求,並於本年1月與公司進行第一次談判。

 

 抵抗PIP(業務改善計畫),提交錄音證據

 PIPへの反論と下ネタ発言の音声提出

 

 在公司不曉得我備有主管C的錄音證據的情況之下進行了第一次的集體談判。在這場談判裡,到談判結束為止公司終究不承認主管C在職場的霸凌騷擾行為以及人事部長K一直以來對於本件缺乏充分對應及跟進的事實,反倒單方面的以我本人缺乏工作能力為由,要求立刻對我實施業務改善計畫(簡稱PIP)。

我經過這次談判之後,下了一定要公司認錯反省的決心。便開始著手下一次的集體談判的準備。

首先是整理主管C過去講過的黃色笑話的錄音紀錄出來,再對公司向我要求的PIP內容進行檢視,檢視之後發現公司所要求的PIP,其內容層次極低每一項都遠不足稱為業務改善計畫。 於是我方對公司所要求的PIP以書面針對每一個要求提出了質尋 ,同時附上了主管C的黃腔錄音檔案到公司。之後公司開始改變態度了。

回覆來的答覆函裡公司承認了主管C的騷擾行為並致上歉意,但關於被提問質尋的PIP的內容則無法給予合理的解釋,於是我方也就此加強對公司的質尋要求對PIP的目的做出合理的解釋,不久之後公司主動向工會提出討論結束糾紛的和解方案。當時我個人也已經失去復職A公司的意志,同意和解的方案。

幾天之後公司的代理律師來到工會辦公室與工會進行糾紛和解的協商,在協議條件談妥後,後日公司,工會,我三方便正式簽署了和解協議書。本件告一段落。

在與公司簽訂的協議當中包括要求公司對防止職場霸凌的復發必須定期實行內部研修,公司雖然在協議書上蓋章答應但實際上現在公司裡因為被不當實施PIP之下面臨自主離職的員工同仁還是繼續存在著。

我真誠的希望公司董事會陣營能夠對這次針對的問題正面看待,盡全力停止同樣受害者的增加。

會員N

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ビルメンテナンス会社で増員、安全帯支給、休憩取得など合意。36協定の労働者代表にも選出されました

皆様お疲れ様です。
ビルメンテナンス 会社に勤務する H です。
プレカリアートユニオンには 加入して約1年になります。

その間……

待機状態であった仮眠時間の賃金未払い、制服への着替え時間の賃金未払い、加入前に会社に上記の問題提起してから賃金が三割減る異動を命じられておりましたが、復職と未払い賃金の支払いを解決していただきました。

復職後に、昇給、昇格、賞与に関わる人事考課が適正なものではなかった年があることを知りました。
普段から現場で接するリーダー1次考課者の評価に対し、普段接することの無い二次考課者である部長に評価を下げられ、出来ることを出来ないと評価された評価シートを目にしました。

それについて、総務部長ヘ評価の説明を求めましたが「あとで説明します。」と返事があってから3ヶ月放置されました。

再びプレカリアートユニオンヘ相談に伺い、清水執行委員長と上記の相談をし、私自身のみならず、プレカリアートユニオンヘ加盟していない同僚たちのことも親身に考えてくださり、会社への団体交渉に臨んでいただきました。

・休憩時間も携帯電話を常に持ち、出動要請があると現場へ向かわねばならない待機状態解消について、休憩が適正にとれるようにする。

・一人待機のデポを休憩がとれるように人員配置を求める。

ブラックボックスである昇格昇給の賃金テーブルの開示を求める。

・同じくブラックボックスである二次考課者の評価についても、面談にてフィードバックを求める。

・高所作業のための安全帯の支給を求める。

・36協定の写しの開示を求める。

以上について、会社側から全て改善を図ると、団体交渉時の口頭と後日、書面で回答を得られました。

現在、清水執行委員長のご提案から36協定締結の際の労働者代表に選出されました。
団体交渉での約束も少しずつ改善に向ってきておりますし、問題解決まであと少しであると感じています。
動向を随時ご報告いたします。

また今回も、プレカリアートユニオン、清水執行委員長に感謝申し上げます。
まだまだ労働問題はありますので、またお力をお貸しいただきたいです。

新型コロナウィルスの影響が様々な業界でも出てきていると思います。
収束まで、収束後からと心身大変であると思いますが、プレカリアートユニオン組合員の皆様もご自愛ください。

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構造化された差別と毅然と闘う。映画『非正規に尊厳を!メトロレディーブルース総集編』(ビデオプレス制作)

映画『非正規に尊厳を!メトロレディーブルース総集編』(ビデオプレス制作)

metrolady.jimdofree.com

 東京東部労組メトロコマース支部の闘いは、日本中の注目を集めています。全く同じ仕事をしているにも関わらず、正規非正規間の待遇は全く異なります。不条理な格差に毅然と立ち上がった女性パート社員たちの闘いを描いた「メトロレディーブルース」シリーズは、今までに3作品製作されています。今回はその総集編に当たる「非正規に尊厳を!メトロレディーブルース総集編」をご紹介します。

10年間で『約1000万円』もの賃金格差!!
 東京メトロの子会社で駅の売店を経営している、株式会社メトロコマースでは非正規に対する理不尽な待遇差別が横行していました。職位は「正社員、契約社員A、契約社員B」と3つに分けられており、約8割を占める契約社員Bは、月給制、福利厚生各種手当て有の正社員、契約社員Bと比して極めて低廉な賃金での労働を余儀なくされていました。待遇の差は実に10年間で1000万円にまで及ぶにもかかわらず、職位による仕事内容には全く違いはありませんでした。実態として、職位は差別の言い訳の為にあるようなものでした。

全国一般東京東部労組メトロコマース 支部を結成
 多くの契約社員は女性労働者でした。Aのボーナスは、Bの約3倍。能力は全く関係なく、「あの人は美人だから、あれはいい女だから」などと、社員に気に入られたBだけがAへと取り立てられるような状況でした。あまりに大きい待遇格差に、まるで女性を商品のように扱う非人間的な人事システム、遂に我慢の限界を迎えたBのメンバーは瀬沼さんを中心に2009年3月、労働組合メトロコマース支部)を結成、格差是正を求めた会社との闘いが始まります。

労働活動で勝ち取った定年後再雇用
 2013年、組合の中心人物である瀬沼さんが65歳の定年を迎えます。会社は当然に雇用を終了させようとしますが、退職金も何もなく生存権すら脅かされ兼ねない状況に置かれている瀬沼さんの雇用延長を求め、組合は連日の座り込みやストライキを行います。その結果、組合は会社から半年の雇用延長を引き出します。しかし、その後「(65歳以降の雇用は)法律で義務づけられていない」などと、会社は再延長を拒んできました。組合はそれに負けずに会社に猛然と抗議、瀬沼さん含め定年退職者に対し一定の雇用確保措置を取らせることに成功しました。その翌年、2014年には東京地裁に非正規差別の問題を提訴、裁判闘争が始まります。

東京地裁での不当判決
 東京地裁が下した判決は、とても信じ難いものでした。「格差に違法性はない」、会社の言い分に依拠し、組合の主張を全く無視するかのような不当な判決が下されたのです。その内容は、メトロ売店で働く正社員非正規間の格差を訴えた問題であるにもかかわらず、全社の正社員とメトロ非正規の業務内容の違いを理由として差別を肯定するもので、裁判所による「恣意的な論点のすり替え」とも言えるものでした。組合は即座に控訴し、裁判闘争は高裁へと舞台を移します。

闘いの舞台は最高裁
 東京高裁は、会社の行った非正規差別に対し、一定の違法性を認定しました。特に退職金差別が一部でも認められたという点で、画期的な判例として世の注目を集めました。しかし、本給及び賞与についての差別は依然として認めらず、本質的な差別是正に繋がる判決とは言い難い物でした。再びの判決を受けた組合は上告を行い、遂に最高裁での審議が行われることとなりました。

 メトロコマース支部の闘いは、社会に多くの問いを投げかけ、所謂20条裁判の火種となりました。私たちプレカリアートユニオンも、クローバー分会が非正規差別の問題を裁判で闘っています。非正規問題の裏には、構造化された様々な差別が隠れています。「普通に働いて普通に暮らせる社会」の実現のために、私たちは、これらの差別と毅然と闘っていく必要があります。

稲葉一良(書記次長)

コロナ後、ますますあらわになった日本の末路。『令和日本の敗戦 虚構の経済と蹂躙の政治を暴く』(田崎基著/ちくま新書)

 

『令和日本の敗戦 虚構の経済と蹂躙の政治を暴く』(田崎基著/ちくま新書

www.chikumashobo.co.jp
 アベノミクスインパール作戦に例え、このままでは日本は再び戦後の焼け野原に戻ってしまうと強く読者に訴える『令和日本の敗戦』(田崎基著/ちくま新書)は、そんな危機感を持たざるを得ないような、社会の凄惨な現状を克明に記しています。労働問題から憲法改正の問題まで、「戦なき敗戦」に向かいつつある日本の現状の発信と問題提起を広範に行っています。なお、危機的な労働問題に立ち向かう、プレカリアートユニオンの活動も「駆け込み寺から砦へ」という組合の合い言葉とともに紹介されています。

トラックドライバー、月500時間の残業
 労働問題とは切っても切り離せないのが、超長時間労働とそれに伴う残業代の未払いです。本書では、あるトラックドライバーの過酷な労働環境にスポットを当て、職場における人間性の崩壊を記しています。1ヶ月500時間にも及ぶ残業、繁忙期は家に帰ることは疎か、トラックから降りられる時間さえ限られます。何故こんな非常識な長時間労働が起こってしまうのかというと、会社が残業代の支払いを違法に逃れているのです。

70歳のトリプルワーク
 古希を迎えながら、生活を支えるため3つのアルバイトを掛け持ちしている女性の生活もまた過酷を極めています。朝6時30分から働き、深夜に帰宅する毎日の中「みんな貧しいわよね。若い人も、私たちも」と話す彼女は1944年に生まれ、戦後の復興と高度経済成長を生きてきました。

アベノミクスで生活は豊かになったか
 一方、政府はひたすらにアベノミクスの成功を喧伝し続けます。その姿はまるで戦時中の大本営発表のようだと言います。「全滅」を「玉砕」、「撤退」を「転進」と呼び代える空虚な言葉遊びの中で、私たちに残された僅かな豊かさは、この数年間で急速に奪われていってしまいました。中間層が大きく削られ、格差は拡大の一途を辿っています。

 読後、強く感じたのは正義の不在です。虚構と欺瞞により奪われた豊かさを取り戻すために、今こそ私たち一人一人が社会正義の実現に向けて力を尽くすべきなのではないでしょうか。

稲葉一良(書記次長)

命の峻別に対抗する。『閉ざされた扉をこじ開ける 排除と貧困に抗うソーシャルアクション』(稲葉剛著/朝日新聞出版)

『閉ざされた扉をこじ開ける 排除と貧困に抗うソーシャルアクション』(稲葉剛著/朝日新聞出版)

publications.asahi.com

 日本社会の格差は広がり続け、貧困はいつ誰が陥ってもおかしくない問題となっています。今回は『閉ざされた扉をこじ開ける 排除と貧困に抗うソーシャルアクション』(稲葉剛著/朝日新書)のレビューをお届けします。著者の稲葉氏は長年にわたり生活保護の申請サポートなど、貧困支援の『現場』で活動をしてきた社会運動家です。住居の問題や生活保護の問題を中心に、貧困によって生存権が脅かされている実態に警鐘を鳴らしています。

排除される路上生活者
 この数年間、オリンピックに向けて都市部を中心に様々な公共インフラの整備が行われてきました。その裏で、例えば公園をリニューアルする際、そこで生活していたホームレスを行政がだまし討ちのように排除するなど、路上生活を営む人たちの生活が脅かされています。また、昨年の台風の際に台東区が行った、まるで命を峻別するかのようなホームレスへの避難所受け入れ拒否の問題など、日本社会は今、路上生活者たちの生存権を奪おうとしています。

差別による住宅確保困難層
 「住居の確保は自己責任」この考え方が、路上生活者だけでなく様々なマイノリティの生存権を脅かしていると著者は論じています。LGBTや外国人労働者、障害を抱えた人々などのマイノリティーが賃貸や家を買う時のローンの審査に通らない、という問題が現在極めて深刻化しているのだといいます。彼らの属性だけを持って「信用ができない」とでも言わんばかりに審査ではじく行為は、もはや差別以外の何者でもありません。

 住居の問題だけでなく、本書では生活保護にまつわる様々な問題についても光を当てています。生きる権利である「生存権」を奪いかねない深刻な問題であるにも関わらず、あまりにその実態について無知だったと読後に痛感しました。社会に覆い隠された見えない扉の奥を照らす良書だと感じました。

稲葉一良(書記次長)

労災問題などについて交渉していた店舗型性風俗店を経営する企業との労使紛争について全面和解!

 店舗型性風俗店を経営する東京都内の企業に対し、深刻な労災事故の責任を求めた労使紛争について、東京都労働委員会の不当労働行為救済申立の場で和解しました。

 労災の正式名称は「労働者災害補償保険」といいます。この保険には、仕事中に負った怪我などに対する医療費はもちろん、休業を余儀なくされた場合の休業補償、さらには障害が残ってしまった場合の生活補償等が含まれています。手厚い補償で被災労働者の生活を守るための労災保険ですが、事故に対するペナルティがなければ「労災があるからいくら事故を起こしても大丈夫」という本末転倒な事態が起こりかねません。その為、労災事故の頻度や程度に応じ、保険料率の増減を行う「メリット制」という仕組みが導入されています。一般的に、会社が労災隠しをするのは、この「メリット制」により労災保険料率が上がることを恐れてのことです。

 団体交渉による解決が困難であったため、私たちは争議権の行使を決定し、会社及び店舗への抗議活動を行いました。

 労災の被害に遭ってから和解をするまで実に3年9ヶ月間、プレカリアートユニオンに加入してから半年間、Aさんの闘いは熾烈を極めました。自身の身体が思うように動かないなか、組合員の誰よりも、他の仲間の争議を闘いました。この闘いを通して、団結することの大切さを改めて教えられました。

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