プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

佐々木亮・大久保修一著『まんがでゼロからわかるブラック企業とのたたかい方』(旬報社)を読んで

『まんがでゼロからわかるブラック企業とのたたかい方』を読んで

 6月26日、アリさんマークの引越社とプレカリアートユニオンとの労使紛争に取材した書籍「まんがでゼロからわかるブラック企業とのたたかい方」(佐々木亮・大久保修一:著 重松延寿:漫画)が旬報社から刊行されました。
http://www.junposha.com/book/b370853.html

 私は2016年まで京都に住んでいたのですが、メルマガ「Change.org」でこの労使紛争についてのトピックがずっと回ってきており、関心を持って見ていました。
 その年の7月、大阪のライブハウスでこの件に関するプレカリアートユニオン主催のイベントが開催されると知りました。闘争の中間報告と、この件に取材したドキュメンタリー映画「アリ地獄天国(仮)」の上映が行われるというので、興味深く思い、参加してみました。
 土屋トカチ監督の映画がおもしろく、特に、マンガに出てくるあの愉快な副社長のモデルになった人物のいわゆる「恫喝動画」のインパクトがあまりに強く、また皆さんのお話を聞いていて大変好感を持ちました。その時にはもう上京を決意していて準備もしていたので、東京に行ったらこの人たちと一緒に活動しようと思いました。
 大きな決心をしようという時には、あまり深く、細かくものごとを考えない方が良いようです。その場で清水委員長に加入の意を伝え、2ヶ月後、渋谷区代々木初台の事務所にテコテコと歩いていって申込書を書き、今も一緒に活動しています。これぞ労働者の連帯、団結ガンバロー(^皿^)

 ちなみに「Change.org」に登録したきっかけははすみとしこの難民中傷マンガに関する一件でした。ここで詳しく事情を述べることは控えますが、何という深い因縁か、わかる人にはわかると思います。

 昔、元のアルバイト先に、不払いになっていた割増賃金分を5000円、支払わせたことがあります。
 それを知人に言ったら、「えーたった5000円」みたいに笑われました。
 額の大小じゃなくて、こっちが正当に貰う権利のあるものを向こうが不当に支払っていなかった、それを正当に要求して正当に支払わせた、ということに意義があるんです。
 公民権運動時代のアメリカにおいて、白人専用のカウンターで黒人の若者たちがコーヒーとドーナツを求めて座りこみをしましたが、「たかがコーヒーとドーナツ」って問題じゃないのと同じです。

 労働者の皆さん、この本をよく読み、力をつけて、コーヒーとドーナツを、5000円を、5万円、50万円、500万円、5000万円を、休憩を、有給休暇を、長時間労働やハラスメントのない快適な職場環境を、人としての尊厳を取り戻しましょう!
 佐々木・大久保両弁護士の力強い言葉が頼もしく、重松画伯の熱のこもった表現が心を揺さぶります。一人一人が大切にされる社会を一緒に作っていきましょう!

チルチル:あの人たちは誰なの?
幸福:「大きな喜び」たちですよ。
チルチル:あの人たちの名前知ってる?
幸福:もちろん知ってますとも。ぼくたち、時々あの人たちと一緒に遊ぶんですからね。まず一番前にいるのが「正義である喜び」です。あの人は不正が改められる度ににっこりするんです。――でも、ぼくはまだ若いから笑うのを見たことがないけれど。その後ろにいるのが「善良である喜び」で、一番幸福なんですが、また一番悲しそうです。
(モリス・メーテルリンク「青い鳥」第4幕第9場「幸福の花園」)

http://www.junposha.com/book/b370853.html