プレカリアートユニオンブログ

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嵐のような刑事弾圧と関西生コン支部の闘い。『武健一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか』 (武健一著/旬報社)

 全日本建設運輸労働組合関西地区生コン支部(以下、関西生コン支部)に対する、信じられないような刑事弾圧は、正に戦後の民主主義にとっての悪夢です。
 関西生コン支部の武健一執行委員長は641日にも及ぶ勾留生活を強いられました。『武健一が語る 大資本は何故私たちを恐れるのか』は、そんな武委員長が勾留生活を振り返るところから始まります。組合に対する刑事弾圧、関西の生コン業界と関西生コン支部の闘いの歴史を伝え、どのような力が労働運動の弾圧へと向かっていくのかを紐解いています。
■独房での非人道的な勾留生活
 関西生コン支部を徹底的に壊滅するという意思を持って行われた刑事弾圧により、武委員長はじめ、多くの関西生コン支部の組合員が不当な刑事弾圧に晒されました。この刑事弾圧自体が、国家がらみの不当労働行為であり決して許されないことですが、寝ることも、立ち上がることも許されず、朝から晩までたったひとりで過ごさなければならない独房での非人道的な勾留生活が心にも身体にもダメージを与えるものであり、重大な人権問題であることも大きな問題です。
■中小事業者とも連携し、労働者の生活守る
 武委員長は、鹿児島県徳之島の出身です。貧しい故郷から仕事を求めて大阪の生コン会社に就職します。当時の生コン業界の労働環境は劣悪で、長時間労働で危険な低賃金の仕事でした。本書では、どのようにして武委員長が、そして生コン支部が、そんな生コン業界の労働条件を改善し、業界に協同組合を立ち上げ、中小事業者とも連帯して労働者の生活を守るための闘いをしてきたかが記されています。闘いの最中、会社が雇ったヤクザによって命を落とした組合員の話、武委員長自身も拉致され九死に一生を得た話などは本当に壮絶な闘いを想起させます。
 壮絶な刑事弾圧は、それだけ権力が組合の力を恐れているということの裏返しです。私たちには力があります。関西生コン支部の闘いに連帯し、これからもより一層、労働者の権利のために闘っていきましょう。
 稲葉一良(書記長)

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