運送会社の未払い賃金、労災問題を解決!泣き寝入りしたくなければ組合に加入を
2月に運送会社G社と和解したMさんのインタビューをご紹介します。
ドライバーとして働いていたMさんの労働時間は11時から翌々日の11時まで連続36時間勤務。休憩が取得できたのは、高速道路のパーキングエリアに駐車できた4,5時間程度だったそうです。また、荷物の上げ下ろしの作業で足と腰を負傷。しかし、会社は労災として対応せず、出勤を強要したため、休業を余儀なくされました。
Mさんは長時間過重労働を強いられただけでなく、「洗車代」という名目での給料からの違法天引き、配置転換などの嫌がらせをされ、会社は団体交渉も拒否したため、不当労働行為救済申立をしていた東京都労働委員会で和解しました。
■G社に入社するまでどのようなお仕事をしていましたか?
ドライバーの仕事に就く前は、さまざまな職場で仕事を経験しました。高校卒業後は工場で働き、仕事ぶりが認められ、臨時職員から正社員に誘われました。当時のテレビドラマで「会社の上司を見れば、その年になった時の自分がわかる」というセリフがあり、その時に30年後の自分を想像し、正社員の誘いを断ったところ、上司から嫌がらせをされるようになりました。他に営業の仕事もしました。成績を出さなければ休みがもらえない、病気でも無理やり働かせるような酷い会社もありました。いじめのような研修を強制され、毎日朝8時から終電まで酷使され、仕事中に倒れて救急車で運ばれたこともありました。
初めてトラックドライバーの仕事に就いたのは、G社とは別の会社ですが、当時は自分の子どもが生まれ、社宅がある会社を探しており、それがきっかけでした。そして、運送会社G社に入社したのは、2014年のことです。
■G社で労災問題が起きた経緯について教えてください
G社では入社後、主に13tトラックを運転していました。途中から上司が会社と一緒になり私を辞めさせようと、バラ積み下ろし作業の仕事ばかりやらされ、残業代もなく、寝る暇もないまま長時間働かせられました。
2019年12月、パレットごとに下した1個20グラムの砂糖の入った袋を持ち上げて形を整えている時に、左足ふくらはぎに激痛が走りました。同時に筋肉疲労で膝や腰も痛め、歩行が困難になりました。しかし、会社は労災とはなかなか認めてくれず、医者に提出する書類の発行で何週間も待たされました。
さらに会社は「大型車に乗りたいのであれば、うちを辞めて他に行った方がいい」とまで言い、勤務中の労災事故をもみ消そうと、退職勧奨を始めたのです。結局、私は出勤を強要され、足の痛みも悪化し、休業せざるを得なくなりました。
■和解までその他にどのようなことがありましたか?
休業中、労災の手続きがまだされていないことがわかり、G社の元社員でプレカリアートユニオンの組合員のOさんの紹介で、組合に加入し、すぐに会社に団体交渉を申し入れました。会社はコロナを理由に、約3か月間団体交渉に応じず、5分で交渉の席を立つなど、不誠実な態度を繰り返したため、東京都労働委員会に不当労働行為救済申し立てをしました。休業中に会社は、いつ復職するのだと連絡してきたり、自分が普通に歩く映像を労働基準監督署に見せ、私の労災を打ち切るように働きかけもしていました。
復職後は嫌がらせで配置転換を命じられ、通行誘導の仕事をさせられました。会社はさまざまな手を講じてきましたが、私はあきらめず仲間と街宣活動を継続しました。おそらく会社は組合員が増えることを恐れていたのでしょう。会社は私とG社の他の社員が顔を合わせないように仕向けていました。
また、大阪の事業所には2回も遠征に行きました。これが特にきいたのだと思います。会社から数々の嫌がらせや団体交渉の拒否もされましたが、最後は東京都労働委員会で和解しました。
■最後、他の組合員へのメッセージなどがあれば聞かせてください
約1年かかったこの争議で、特に印象に残っていることは、大勢の仲間と街宣ができたことです。人数を見て会社も驚いていたので、数は大事だと感じました。もし、今労働問題で悩みを抱えている人がいるのであれば、泣き寝入りしたくなければ組合に入れと伝えたいです。
そして、加入した後は、勝つまではやめないという強い意志も大事だと思います。
今後はしばらくケガの治療に専念します。組合員のみなさんの協力のおかげで解決できたと思っています。ありがとうございました。
労働相談は 誰でも1人から加入できる労働組合
プレカリアートユニオン
〒160-0004東京都新宿区四谷4-28-14パレ・ウルー5F
ユニオン運動センター内
TEL03-6273-0699 FAX03-4335-0971
ウェブサイト https://www.precariat-union.or.jp/
ブログ https://precariatunion.hateblo.jp/
メール info@precariat-union.or.jp