プレカリアートユニオンブログ

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新入組合員が見た映画『アリ地獄天国』。主人公が立ち上がる姿を自分に重ねて見た

新入組合員が見た映画『アリ地獄天国』
主人公が立ち上がる姿を自分に重ねて見た


プレカリアートユニオンが取り組んだ大手引越会社との闘いを描いた、土屋トカチ監督のドキュメンタリー映画『アリ地獄天国』(日本/2019年/98分)。DVDも発売されています。新入組合員が、映画の感想を書きました。


 物語としては、とある引っ越し会社で実際に従業員として働く男性が会社から理不尽な扱いを受けて行き詰まるも、色々な人の支えを得ながら闘っていく、ノンフィクションストーリーである。
 この映画を観る前は概略だけを理解しており、「次の仕事探した方が今後のキャリアを考えた上で合理的では?」と、思っていた次第だが、当事者や周囲の人間にしか理解できない葛藤や苦難があり、観終わった後は、とても言葉にできなかった。
 こういった事例の殆どは負け戦で、無駄に打ちのめされてボロボロになって精神を壊して泣き寝入りして終わるだけ、と言うバットエンドなのかもしれないが、ただただ、その立ち上がる姿は尊く美しいと思った。
 僭越ながら、それは自分と重ねて観ていた節があったからだと思う、自分が実際に不当な扱いを受けた経験もあり、無条件に屈服を強要するような連中に屈するのは自分が自分でなくなるような、何か大切なものを失い、尊厳を踏み躙られると思ったからだと気づいた。
■労働者は固まって闘うしかない
 このノンフィクション映画から学べることとしては、以下の通りである。
・労働者は闘って権利を勝ち取り、階層で固まり闘争すべき
・資本家や経営者という属性が搾取しているから労働者は貧しいのである
・資本主義のシステムを否定するわけではないが、格差の拡大は留まるところを知らない、人間がゴミ扱いされる時代が来ている
 改めて、同族企業やワンマン経営の会社は得てして宗教化している側面があり、そのためにこの出演男性ではないが、役割として、他の従業員に踏み絵を踏ませるために、大勢の前で面罵や差別的発言を受けたりする光景は、如何にも動物的だと感じた。
基本的に資本家や経営者は、労働者から搾取して、責任は取らないように安く働かせて、生かさず殺さず飼い殺しにしておくのが彼らの仕事であるとも認識した。
 世の中の大企業で標榜されているような綺麗事、いわゆるダイバーシティや人権意識はなくそういった上流階級で働く上位0・3%の人々が光の面だとすると、この引っ越し会社のような劣悪な環境は裏面であるとも感じる。そういった歪みが顕在化しており、令和の時代はジョーカー的な暴動が起こる可能性もあるのではないかとも思った。
 また、労働組合は左翼系の団体であるという言説があるが、実際に蓋を開けてみると必ずしもそうであるとは言えず、労働者の権利を主張できる制度や立て付けがないがゆえに、徒党を組み闘わざるを得ないのだと再認識した。そして人間は一人でできることはたかが知れているので、労働者同士で手を取り合い団結すべきである。

 

※映画『アリ地獄天国』公式ウェブサイト https://www.ari2591059.com/
 DVDの申し込みはこちら https://www.ari2591059.com/dvdanantstrikesback

 

映画に登場する当該組合員について、インターネット上で、プレカリアートユニオンのなかでパワーハラスメントにあったとか、意思に反して退職和解を強制されたと書いている人がいますが、そのような事実はありません。当該組合員による説明をご覧ください。

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