【組合員の手記＆解決報告】腰痛への安全配慮問題で都内の介護事業所と交渉「もっと早くにプレカリアートユニオンを知っていたら、自分の介護のキャリアも違っていたかも」

組合員の手記＆解決報告
腰痛への安全配慮問題で都内の介護事業所と交渉
「もっと早くにプレカリアートユニオンを知っていたら、自分の介護のキャリアも違っていたかも」

　２０２２年１１月より某株式会社のグループホームにケアマネジャーとして勤務を開始しました。
　もともと腰痛があり、不安だったのですがケアマネジャーと兼務であれば可能だろうと考え、就職しました。面接では週１日～２日はケアマネジャーとして勤務ができるはずでした。
　結局退職することになった３月末まで、１日ケアマネジャーとして勤務できた日は、３日～４日だったと思います。
　日に日に腰痛が酷くなり、整形外科に通い、腰の牽引をしてもらいながら何とか勤務を続けました。でもそろそろ限界が近いことも、自分が現場の介護職員として務めを果たせていない事もよく分かっていました。「自分の責務が果たせていない。なら社会人としては退職するのが筋だろう」と思いました。
　だから自分は退職を決意し、別会社の面接を受け、内定をいただきました。ケアマネジャー専業の内定でした。
　エリアマネージャーに退職の意向を伝えると思いもよらない返事が返ってきました。
■騙された！腰の負担軽減されるはずが
　「２階の小規模多機能型居宅介護の施設と３階、４階のグループホームのケアマネを兼務してみませんか？　多少の現場の仕事はあるけれど、ほとんどケアマネ専業として腰に負担のないかたちで勤務できます」というものでした。
　自分は「これならまだこの施設で働ける」と本当に嬉しい気持ちでした。だからその話を聞いて直ぐに内定をいただいていたところに電話し、辞退の意向を伝えました。
　ワクワクしながら出勤した初めての小規模多機能の職場、そこで職場の上司から聞いた言葉は「お風呂介助もやってもらう」でした。笑顔で「それは……」と答えましたが顔は引きつっていたと思います。「騙された」と思いました。
　何日か経って、小規模多機能の上司に「いつになったらケアマネをやらせてもらえるのか」と聞いてみました。「自分の想定では６か月後」という話でした。もしそうなればすでにグループホームで４カ月ほぼ現場の職員として勤務し、小規模多機能での現場の期間を合算すれば１０カ月はケアマネとしての仕事ができないことになります。
　「もう無理だ」。そう思い、施設長に退職を申し入れたところ、「会社の規定で少なくとも一カ月前には伝えてもらうことになっている」、という反応でした。
　「あと一か月現場では働けない、もう完全に詰んだ」、と思った時に元同僚のＥさんにプレカリアートユニオンを紹介してもらいました。委員長の清水さんに「もう会社には行かなくていい」旨言っていただいたときは、本当に安心しました。
　そして不安だった会社とのやり取りも全て組合の皆さんが助けてくれ、次の仕事が始まるまでの約１ケ月間は家でゆっくりと腰の養生をする事ができました。
　自分に有利な形で話をまとめてくれ、今は念願だったケアマネ専業の仕事に就き、腰に負担なく働けています。
■これからの介護のために
　思い返してみれば、介護の仕事というのは本当に尊い仕事だと思うのですが、目下の介護業界の人不足の影響かブラックな就業環境が多く横行しているような気がします。もっと早くにプレカリアートユニオンを知っていたら、自分の介護のキャリアも違っていたかもしれません。
　介護はこれからの日本に絶対に必要な業界です。ブラックなままでは、将来介護の仕事に就きたいと思う若者もいなくなってしまいます。別に大金を儲けたいわけでも、楽に仕事をしたいわけでもありません。ただ普通に、介護のプロとして、社会人として責任をもって仕事をしたいだけです。
　でも介護施設の経営者は職員はおろか、利用者さんでさえ人として尊重しているのか疑問を抱かざるを得ない方々が多くいます。これからの介護のために自分はプレカリアートユニオンの闘いを応援したいし、自分のできることはお手伝いしたいと考えています。
　最後になりますが、自分を助けてくれた組合の皆様に、心よりお礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
　Ｋ（組合員）