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その保険本当に必要ですか? 見直しのために学びたい社会保障・社会保険について【いなばの生活力向上計画 第15回】

いなばの生活力向上計画 第15回

その保険本当に必要ですか? 見直しのために学びたい社会保障社会保険について


 毎月生活に役立つ情報をお伝えするこのコーナー。今回は保険についてです。保険会社に漫然と、漠然とした不安から高い保険料を支払っていませんか。無駄な保険料の支払いが家計を圧迫するケースは上がらない賃金と連動して年々増えているのを感じます。その割にはあまり知られていないみんなが入っている公的な保険「社会保険」。ほとんどの人の人生において最も高い出費は「税金+社会保険」なんだとか。今回は民間の保険を考える際にも役立つ社会保険の知識を生命保険を例に挙げ少しだけお届けします。
■全てを民間保険だけで賄おうとする姿勢が高すぎる保険料を生む
 生命保険文化センター実施の調査(2021)によると、生命保険に加入した目的は「医療費や入院費のため」が最も多く、「万一のときの家族の生活保障のため」、「万一のときの葬式代のため」と続きます。実はこれ、全部社会保険で給付があるって知っていましたか。以下に述べるようなことを知らず、「全て」を民間の保険だけで賄うようなイメージで保険選びをしていたら必要以上に高額になって当然です。
■健康保険には高額療養費制度がある
 「医療費や入院費」は健康保険でカバーされます。健康保険では毎月一定の金額を上限としてそれ以上の支払の払い戻しが受けられる高額療養費制度があります。先進医療や差額ベッドなどを望まなければ十分に備えることができます。
■生活保障のための様々な社会保障の仕組
 「家族の生活保障」について、療養時ならば、傷病手当(場合により労災給付)、それにより仕事を失った場合は雇用保険も対象になり得ます。また癌などで就労できなくなった、日常生活が正常に営めない場合障害年金の対象にもなり得ます。巷で癌保険がもてはやされますが、癌で障害年金が受給できることはあまり知られていません。万が一、死亡した場合も死亡一時金(少ないですが)、特定の条件を満たすケースでは遺族年金も支給されます。また、死亡が急でどうしようもない状態でもならば生活保護を受けることだってできます。そのような場合、ローンを完済していれば一定の条件を満たし今の家にそのまま住み続けることも可能です。
 葬式についても、葬祭費・埋葬料が社会保険から出されることになっており、宗教・地域によりどのような規模でどのように行うか価値観は様々ですが、全く出ないというわけではありません。不安な気持ちが大きくなる足下をすくわれ、必要以上に高い保険を契約しがち。実際に何にどのように備えるかを冷静に判断するためにもまずは社会保険社会保障で何が守られるかを学びましょう。保険はリスクに備えるために入るものですが、これらを知らずに保険を契約することこそがむしろ相当にリスクのある行為なのです。
 稲葉一良(書記長)

 

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