【美澤良之さん（組合員）の手記】運送会社と残業代問題で和解後、初春闘で賃上げを実現しました！

運送会社と残業代問題で和解後、初春闘で賃上げを実現しました！
美澤良之さん（組合員）の手記

　私がプレカリアートユニオンに加入して約１年半が経ちました。勤めている運送会社の長時間労働、休憩ゼロ、残業代未払い、先輩社員によるパワハラなどで心身ともに疲れ果て、何とかこの状態を脱したいと思いネットで検索したところ、プレカリアートユニオンのサイトにたどり着きました。
　組合の説明や解決事例などを読み、「ここだ！」と思いすぐに電話をしたところ、清水委員長が話を聞いてくださり、会社のやっていることがかなり悪質であることが判明。組合事務所で詳しい話を聞いてくださるとのことで会社の作業日報、タイムカードのコピーなど数点を持って後日組合事務所に伺いました。真剣に話を聞いてくださり即日プレカリアートユニオンに加入、数回の団体交渉を経て会社側が解決金を支払うことで和解となりました。和解するまでは精神的に辛いこともありましたが、清水委員長、稲葉書記長が支えてくださり何とか乗り切ることが出来ました。
■未払い残業代は払われ休憩もとれるように
　和解以降は、残業代は１分単位で支払われ、休憩時間もキチンと１時間とることができ、勤務時間も運送会社としては珍しく１０時間半前後の拘束となり、体調が回復してきた昨年夏頃から組合のアクションなどにも参加をするようになり、最初はプレカリアートユニオンの旗を持って立っている以外何もできませんでしたが、今では積極的にマイクを持ち大きく抗議の声を上げるようになりました。私も組合に助けてもらったのだから、現在困っている組合員の方々の力になれればと、不定期ではありますがアクションに参加しております。
■物価も上がっているのだから賃上げを
　今年の２月頃、清水委員長から会社に春闘で賃上げ要求をしましょうと提案をいただき、その場で春闘の団体交渉の申し入れを送り、３月初旬に１回目の団体交渉。会社側は専務取締役、総務部長、弁護士２名、組合側は清水委員長、稲葉書記長、私の計７名で行いました。会社側は、決まり文句のように「コロナ禍で売り上げが下がっている」、「美澤だけ給料を上げるわけにはいかない」などなど、予想通りの回答でした。そこで清水委員長が力強く「物価が毎年上がっているのに給料が上がらないのは、実質給料が下がっているのと同じ」。また、「当該組合員以外に賃上げ要求をしている人はいるのか？（会社側はいないと回答）いないのに何故、要求していない人と同じにしなければならないのか？　こちらは団体交渉権を行使して賃上げを要求しているのですよ！」とド正論で反論。１回目の団体交渉は平行線のまま終了。

■評価による数千円の昇給以外に賃上げ実現
　２回目の団体交渉は４月初旬、専務取締役に代わり社長が出席し、ほかは同じメンバーで交渉開始。会社側はやはり賃上げはできないとの回答。ただし、会社は社長が現場に入って陣頭指揮をとって会社を建て直すと表明し、導入したばかりの人事評価制度はＳ、Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄの５段階で評価され、今年度の私の評価はＳまたはＡになり、どちらにしても基本給が数千円アップするので納得してもらえないかとの説明。
　しかし、それは私の仕事の評価であり、本来の賃上げではないと回答。「私の仕事ぶりが良い評価を受けるのは光栄なことではあるが、こちらは団結権を行使して労働組合による賃上げ交渉に臨んでいる。今のご時世、経営が厳しいのは承知の上。なのでこちらとしては、わずかでも人事評価以外の賃上げがあれば納得するつもりだったのに」と本音トーク。
　そこで会社側弁護士が、「数分間、会社側だけで話をさせてくれ」と発言。組合サイドは部屋を出て数分後に再度部屋に戻り、社長から基本給をさらに１ヶ月○〇〇円アップしますとの回答。金額ではなく会社の姿勢を示してほしかったので快諾。別件の要求もあったので６月にもう１回団体交渉を行い、今回の春闘はめでたく終了の予定となっております。
■トロンボーンで組合活動も
　余談ではありますが、私は元トロンボーンのプロ奏者で、組合で制作している『賃金を上げよう　２０２２春闘のテーマ』、警備会社テイケイへの抗議ソング『嘘でしょ？　テイケイは怪文書送付をやめろ』などにも演奏で参加しております。次作にも参加依頼をいただき、近々レコーディングを行います。次作もどうぞお楽しみに！
　美澤良之（組合員）
※組合員の美澤良之さんも演奏で参加している『賃金を上げよう　２０２２春闘のテーマ』