プレカリアートユニオンブログ

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急増する深刻な職場のいじめ 録音などの証拠を確保しユニオンに相談を。『大人のいじめ』(坂倉昇平著/講談社現代新書)

『大人のいじめ』(板倉昇平著/講談社現代新書

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急増する深刻な職場のいじめ
録音などの証拠を確保しユニオンに相談を


 職場でのハラスメントは年々増加の一途をたどっています。実際に労働相談を受けていても、一番多いのがハラスメントに関する相談です。『大人のいじめ』は、雇用問題総合誌POSSEの編集長であり、現在はNPO法人POSSEの理事として年間約5000件の労働相談に関わっている、ハラスメント対策専門家の坂倉昇平氏による1冊です。「職場のいじめで精神障害を発症した件数が、この11年間で10倍に!」という帯のコピーに見られるように、急増している職場のいじめですが、本書はその構造や増え続ける背景について深く切り込んだ1冊です。
■深刻な同僚からのいじめと放置する会社
 ハラスメントは主に上司から部下に対して行われることが多いものですが、「近年の職場のいじめは、経営の理論を内在化した同僚らによって自発的に行われる」ことを本書は強調します。職場のいじめは「医療・福祉」の現場で最も多く、そのほとんどは常態化する超長時間労働や慢性化する人員不足などの問題を背景に持ちます。結果として労働者の相次ぐ退職を引き起こしたり、最悪の場合被害者が自死に至ることもあるにも関わらず、約半数の会社がいじめを放置しているというのだから驚きです。
■職場のいじめは支配のためのツール
 本書では、いじめが放置される理由の1つとして、会社が効果的なガス抜きや支配の為のツールとして敢えて職場のいじめを放置し黙認していることが挙げられています。本来、労働者は団結することで会社と対等に交渉し闘うことのできる力を持っているのですが、相互に対立させ、その矛先が経営に向かないようにしているというわけです。前述したとおり、職場のいじめは同僚らが経営の理論を内在化させ行うので、そもそも経営側を利する行為です。いじめによりガス抜きをすることでやがて労働者は自警団化してしまい、会社のブラックな経営や理論を支える存在へと先鋭化されていきます。
 労働者の団結を阻み、会社の理論を内在化させしまうことにも繋がる、深刻な職場のいじめですが、最も有効な闘い方は録音などの証拠を集めユニオンに相談することです。労基署はハラスメントで動くことはまずありませんし、本書でも会社や上司に伝えたことでいじめが悪化してしまうおそれがあることに注意を喚起しています。ハラスメント・いじめの被害に遭ったら、録音をして迷わずユニオンへ。相談お待ちしています。
 稲葉一良(書記長)

 

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