プレカリアートユニオンブログ

労働組合プレカリアートユニオンのブログ。解決報告や案件の紹介など。

残業代の支払いを免れようと道路交通法や道路の安全に無配慮な対応をする田口運送・都流通商会を告発

田口運送と都流通商会は、(田口運送は残業代支払いを命じた判決が出たにもかかわらず)残業代の支払いを免れようと道路交通法や道路の安全に無配慮な主張をしています。このたび、都流通商会を相手取った残業代請求訴訟で、会社側が出した従業員の陳述書に大変問題のある記載があったため、監督官庁、業界団体、関係各所に是正と指導を求めました。

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田口運送・都流通商会への道路交通法に関する指導・監督のお願い

トラック運送事業者の長時間労働と残業代未払い、待機時間の賃金未払いが、社会問題化しています。田口運送株式会社と、グループ会社である都流通商会株式会社に対しては、現在、従業員のドライバーが残業代の支払いを求めて提訴しています。
裁判で、都流通商会は、未払い賃金の支払いを逃れるため(トラックの停車時間が休憩時間であると強引に主張するため)、従業員に次のような証言をさせています。
「タカナシ戸田の敷地の裏にある公道にトラックを駐車します。タカナシ戸田の敷地裏にある公道は人目につきにくく、警察による取り締まりもないため、ドライバーは公道にトラックを駐車したあとはトラックを移動させることもなく、仮眠をする等して自由に休憩を取ることができます。」
公道を駐車場代わりに利用し、交通安全にまったく配慮していないことを自ら認めたことになります。付近には、複数の学校があり、通学時間には細心の注意を払わなければなりませんが、安全への配慮よりも残業代支払いを逃れるために、道路交通法を無視した主張をしているのです。
田口運送と都流通商会では、冷凍機付トラックによる運送を行っています。厳しい温度管理が要求されるのですが、これについても、ドライバーに「スペアキーを渡してあり、エンジンをかけたまま車を離れて休憩が取れる(だから停車時間は休憩時間であると主張)」などと主張する始末です。
 田口運送に対し、従業員のドライバー4人が残業代を請求した裁判では、2014年4月24日に、横浜地裁相模原支部(小池喜彦裁判官)が、原告の主張を認め、同社に2年分の未払い賃金と同額の付加金の支払いを命じる判決を命じました。同裁判所は、「待機時間も労働時間」と判断しています。
司法の判断も下り、運送業界の注目も集まっていることから、監督官庁・関係者各位におかれましては、両社に対して、未払い賃金の支払いを免れたいがために、道路交通法や道路の安全に無配慮な対応をしないよう、厳しく是正・監督指導を行ってくださるよう、何卒よろしくお願いいたします。