コスパではなく自分自身の価値に基づく消費をしよう
【いなばの生活力向上計画 第１８回】
生活力向上に役立つ情報をお届けするこのコーナー、今回は「価格」と「価値」の違いについて解説します。
意外と知られていない「価格」と「価値」の正しい意味
価値とは自分が支払うお金（金額）を差し、価値とは、それによって自分が得られる豊かさなどを意味する言葉です。巷でよく聞く「コスパがいい」とは「価格＜価値」の状態を指し、「コスパが悪い」とは「価格＞価値」という状態を指します。私たちは、普段の生活の中で知らず知らずのうちに価値と価格を吟味して消費活動をしています。しかし、漫然と意識するだけでは様々な錯覚が生じ無駄な消費行動に繋がります。
高額＝価値が高いとは限らない
人は値段の高い商品を高い価値があると誤解しがちです。物の価格には理由があり、それは買い手が享受する価値と直結するとは限りません。また、全ての人にとって価値ある買い物というのは中々ありません。それがどのような価値を持ち、その価値は自分の価値観に合致するのか、なぜこの商品はこの値段なのかについて曖昧なまま物を買っても自分にとって価値のある買い物にはなりません。ブランド物などを「有名だから」、「なんとなく」で衝動買いしてしまう現象はこの価格と価値そして価値観の精査のプロセスを省いてしまうことで起こる浪費といえます。
賢い消費者になるには、自分自身の価値観を育てることが必要不可欠です。あくまでも「コスパ」は一般的な指標であり、それにのみ頼った消費は思考停止を招き、必要のないものを買うなどし、却って浪費に繋がります。そして、贅沢は節約の敵ではありません。自分の価値観に基づき価格と価値を吟味した上で納得して行う贅沢は人生を豊かにする物です。また、価格に縛られず価値を見いだす価値観は自己肯定感の向上にも繋がります。「値段は安いけれど私はこれが好きだ」と胸を張って公言できる人は質の高い消費をしているともいえます。
稲葉一良（書記長）
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