社会保険労務士法改正案の審議のなかで、6月17日の参議院厚生労働委員会で参議院議員の天畠大輔議員が、以下のように、プレカリアートユニオンとの団体交渉を拒否し退席した使用者側の佐賀豊社労士が、稲葉一良書記長らに暴行におよんだ事件に言及し「一部の不正を働く者のせいで業界全体が壊れてしまっているのです。悪質な行為を行う社労士を厳罰に処する法整備と運用が急務」などと発言しました。動画の30分22秒頃からの発言です。
6月26日(木)14時から、東京地方裁判所802号法廷で、佐賀豊社労士によるプレカリアートユニオン稲葉書記長に対する暴行事件などの損害賠償請求訴訟の証人尋問として、稲葉一良書記長、佐賀豊社労士に対する主尋問、反対尋問が行われます。ぜひ、傍聴しご支援ください。
「非正規雇用や不安定雇用の労働者を中心に組織している地域合同労組である「プレカリアートユニオン」が、2023年10月20日、池袋の病院に勤務する組合員の未払賃金問題で団体交渉を行ったところ、病院側「顧問兼企業統治担当」として団交に出席したこの北区内の社労士が、同ユニオン書記長ほか1名の組合員に対して、殴る、蹴るなどの暴行を行ったという情報が当事務所に寄せられました。2人は救急隊によって病院に搬送され、頸部挫傷、左肩部挫傷、左臀部挫傷を負いました。このときの様子は同ユニオンのホームページでも動画がアップされており、実際に見てみると極めて悪質な有形力の行使と暴言が確認できます。
さて、6月6日の衆議院厚生労働委員会で鰐淵副大臣と岸本政府参考人は「厚生労働省におきましては、社会保険労務士の不正事案等を把握した場合には、社会保険労務士法に基づきまして調査を実施し、事実関係を確認した上で、懲戒事由に該当する場合には懲戒処分を行っております」と答弁しております。
上記のような暴力行為が確認された場合には、速やかに懲戒処分を行うということでよろしいですか。」
「10年前「社員をうつ病に罹患させる方法」というブログを公然とアップした愛知県内の社労士に対し、厚労省は「業務停止3か月」の懲戒処分を下しました。団体交渉において組合員2名を負傷させた社労士は今も業務を続けています。処分の基準がおかしいと指摘をしておきます。
次に、社労士会に対する厚労省の指導について過去の事例を紹介します。障害年金の申請についての相談や代行を担う社会保険労務士事務所において、そのホームページに「合併症がないと糖尿病は障害基礎年金が下りない」など不適切な掲載が散見される問題がありました。
昨年5月30日の当委員会において当時の武見厚労大臣は「誤解を与えない内容となるように、全国社会保険労務士会連合会を通じて改めて注意喚起をしてまいりたい」と答弁しました。
前述したような到底許されざる心得違いをしている一部の社労士の暴行・暴言についても、厚労省として、糖尿病告知の問題同様に社労士連合会に対して注意喚起並びに断固とした対応を行うよう強く求めます。
さて、本法案では、社会保険労務士の使命に関する規定が新設されました。いわく「社会保険労務士は、労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施を通じて適切な労務管理の確立及び個人の尊厳が保持された適正な労働環境の形成に寄与することにより、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上並びに社会保障の向上及び増進に資し、もって豊かな国民生活及び活力ある経済社会の実現に資することを使命とする」とあります。
団体交渉の場で組合員に暴力を振るうような社労士がいなくなってから、このような崇高な使命について議論を始めるべきではありませんか。」
「本法案第1条にはこうあります。
「社会保険労務士は、労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施を通じて適切な労務管理の確立及び個人の尊厳が保持された適正な労働環境の形成に寄与することにより、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上並びに社会保障の向上及び増進に資し、もって豊かな国民生活及び活力ある経済社会の実現に資することを使命とする」
全国に38,000人いる社労士の大部分が既にこの崇高な使命に基づいて日々尽力なさっていることは紛れもない事実です。にもかかわらず、先ほどの資料にもありますように、心得違いをした一部の社労士がおよそ常識では考えられない反人権的言辞や執拗な暴力行為を働いているのです。累次の社労士法改正が一貫して全会一致で成立してきたことをどう受け止めればいいのでしょうか。
10年前「社員をうつ病に罹患させる方法」というブログを公然とアップした愛知県内の社労士に対し、厚労省は業務停止3か月の懲戒処分を下しました。一方で、団体交渉において組合員2名を負傷させた社労士は、今も業務を続けています。暴言と暴力、どちらがより悪質か、社労士業界はこの不毛で絶望的な命題を抱え込んだままです。一部の不正を働く者のせいで業界全体が壊れてしまっているのです。悪質な行為を行う社労士を厳罰に処する法整備と運用が急務です。
障がい者などマイノリティーへの差別は言うまでもなく、女性差別や労働者への人権侵害は日本の恥ずべき暗部です。働く者の闘いもまた、一部使用者とその手先との死闘の連続でした。
1960年の三池争議において、三池労組の組合員、久保清(くぼ・きよし)さんは、3月29日、暴力団に胸を刺されて死亡しました。32歳でした。それから65年、いまだに労働組合の組合員が団体交渉中に殴る蹴るの暴行を受けているのです。
久保さんのお墓の隣にある石碑に刻まれた詩の冒頭部分です。
やがて来る日に 歴史が正しく書かれる
やがて来る日に 私たちは正しい道を 進んだといわれよう
私たちは正しく生きたといわれよう
今なお多くの労働者たちを励まし続けている言葉です。」
youtu.be団交に出席した大成会・長汐病院の社労士によるプレカリアートユニオン稲葉一良書記長に対する暴行・傷害に抗議します 2023年10月20日・プレカリアートユニオン事務所(撮影:東京管理職ユニオン)
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