不安定な労働、格差社会、差別などがもたらす深刻な子どもの貧困・孤立
『貧困・孤立からコモンズへ』(青砥恭+さいたまユース=サポートネット著/太郎次郎社エディタス)
格差が都貧困が社会全体に広がり続けるなか、こどもの貧困が特に深刻な問題となっている。『貧困・孤立からコモンズへ こどもの未来を考える』は、青舐恭+さいたまユースサポートネット編の1冊である。
さいたまユースサポートネットは2023年10月から翌24年1月にかけて「子どもの貧困15年、こども家庭庁に求めるもの」と題して全11回の連続講座と総括シンポジウムを開催している。本書はその内容に基づき、子どもの貧困を社会問題・情勢を踏まえ広範に議論し問題提起した1冊である。
11名の著者がそれぞれの取り組みや立ち位置から問題を論じており、本書を読むことで子どもの貧困、ひいては人権の「今」が分かるような構成になっている。
労働者の貧困が子どもの貧困に直結している
本書を読んで一番感じたことは、労働者の雇用・生活の不安定がそのまま子どもの貧困に繋がっているということだ。本書の冒頭で2006年のNHKによるワーキングプアを題材にした特集が紹介されているが、働いても働いても貧困から抜け出せない家庭が子ども達にもたらす影響は決して小さくない。長時間労働や仕事の掛け持ちから親とのコミュニケーションが取れない、親がメンタルを崩してしまい仕事を離職せざるを得なくなってしまった等々、そのときに子どもたちにも場合によって親以上の負担と不安が押し寄せるということが本当に実感できた。
行政のサービスも市場原理に晒され、入札制度などの弊害も相まってサービスの継続的提供が困難であることなども本書で問題提起されている。放課後デイサービス等の運営の実態なども労働運動の中で対峙する事業者の姿勢などからサービスの質の低下(すなわち利益誘導主義に基づく運営により子どもたちの人権が蔑ろにされること)による危険に子どもたちが晒されている現状を申告に感じる。
本書では第二部では「外国につながりのある子ども貧困と孤立」と題して磯田三津子氏(埼玉大学教育学教授)が学校に来ることができ来ない外国につながりのある子どもたちの修学の問題を紹介している。学校に来られない背景には貧困だけでなく根深い差別の問題がある。
今日本では排外主義が跋扈し「日本人ファースト」等というむき出しのレイシズムを一定数の国民が支持するに至っている。貧困も排外主義も新自由主義の産物である。子どもの貧困を入り口に掘り進んでいくと、やはり労働運動が取り組むべき課題に直面するのである。
稲葉一良(書記長)
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