SNSのコツは怖れずフットワークよく。組合活動についてもっと気軽に発信してみよう
『民主主義のためのSNS活用術 連帯と共感のツールとして』(井上伸著/日本機関紙出版センター)
ここ20年の1番の社会の変化の一つにSNSの普及が挙げられるだろう。しかし、労働組合がSNSで活発に発信している姿は今ひとつ目立たない。
『民主主義のためのSNS活用術 連帯と共感のツールとして』は、そんな労働組合活動を頑張っている方や社会運動選挙運動に携わる市民のためのSNS活用マニュアルだ。著者である井上伸氏は日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)本部書記。
日常的に組織の発信にSNSを取り入れまた、SNS活用講座の講師などを務める現役の労働運動家だ。本書は19のQに対して答えていくかたちでSNSにまつわる様々なテクニックや、問題の解決法を紹介する。
■とにかく怖れずに発信してみよう
本書では、さまざまな運動におけるSNS活用のノウハウを具体的に紹介しているが、特に印象に残ったのはQ11「『炎上』が怖くてXに投稿できない」からQ12「組織的な確認がないとポストできない?」のくだりだ。これらによって投稿したいと感じたときに躊躇ってしまう気持ちはよく分かる。
実際にQ12などについては活動の中でも日頃から組合の仲間が口にしがちである。著者は「炎上」の仕組について、お金を払い大量に面白くない言説を炎上させる所謂ネトウヨビジネスの仕組やその背景などを解説し、炎上には発信者に問題があるケースと理不尽な炎上のケースに分けられること、甲社の場合その炎上を逆手にとって自分たちの主張を効果的に拡散できることなどを伝える。
炎上が怖くて投稿しないと相手の思うつぼなのである。また、Q12については必要以上に間違いを怖れないことが大切だという。街頭宣伝で話していることを中心に発信内容を組み立てていけば大きな問題は起こらないという主旨の基準はとても分かりやすく使いやすい基準を紹介する。
■ハッシュタグの使い方を工夫しよう
次に紹介するのはハッシュタグの使い方。最近の「#MeToo」「#blacklivesmatter」を初めとするキャンペーン、Twitterデモなどはハッシュタグが効果的に使われることで大きな社会のうねりを作り出しているといえるだろう。普段の活動にもこのような社会的な大きなトレンドの文脈の中で語れることと言う者は存在している。そのため、ハッシュタグを新しく作ってムーブメントを引き起こすだけでなく、既に起こっているムーブメントに乗って問題を拡散する手法も効果的であることは一般的にも広く知られている。
また、知っている人にとっては当たり前かも知れないがこのハッシュタグ、直打ちしないでコピペするというノウハウは目からうろこだった。途中でスペースができてしまったり、全角半角が混じってしまったりと正しく入力されないとその当然検索に引っかかりにくい。せっかく頑張って投稿してもそんなことで人目に触れにくくなってしまうのはあまりにもったいない。
以上、本書の中から特に紹介したい2つのトピックに絞って紹介したが、運動のためのSNSの活用を考えたときに特に大切なのは、怖がらないこと、躊躇わないこと。失敗を怖れずに気軽にはじめてみよう。困ったことにSNS上には差別・ヘイトをまき散らすネトウヨが大量発生している。しかし、実際の数は社会運動に関わる人たちの方が多いと本書も指摘する。黙っていたら、社会がデマや憎悪に飲まれてしまう。まずは、リツイートからはじめてみんなで社会を守っていこう。運動を前に進めていこう。
稲葉一良(書記長)
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